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ワイドギャップ半導体の結晶成長及び物性解析

河村 貴宏

助教

工学研究科

機械工学専攻

量子・電子機械

研究分野:  

tkawamura(AT)mach.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • ワイドギャップ半導体
  • 第一原理計算
  • 分子動力学
  • 結晶成長
  • 固体物理

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    Society 5.0の実現に必要な電子材料としてGaNに代表されるIII-V族窒化物半導体やSiC、Ga2O3などのワイドギャップ半導体の開発・普及が期待されています。私はこれらのワイドギャップ半導体を主な研究対象とし、原子スケールシミュレーションを用いて結晶成長や物性に関する基本原理を明らかにすること、またワイドギャップ半導体の市場拡大につながる新機能の発見を目的とした研究を行っています。

  • 成果、活用例

    分子動力学や第一原理計算といった原子スケールシミュレーションを用いて、ワイドギャップ半導体の結晶成長、ナノ構造、熱物性、光学特性等の解析を行っています。これまでに、GaNのNaフラックス成長においてC添加による結晶成長改善のメカニズムを明らかにし、その実験手法の理論的根拠を明らかにしました。また、超格子の層厚や各層の混晶組成の制御によってバンドギャップを緻密に制御できること、また格子歪みによってもバンドギャップが変化する事を示しました。

  • 今後の展望展開

    超格子構造などのナノ構造を利用した特性制御が注目されていますが、材料によっては高品質結晶成長や組成・膜厚制御が難しく、また特性に影響する因子が多いことがナノ構造本来の特性評価の困難さに繋がっています。数値解析では理想的なナノ構造の特性評価を行うことが可能であり、また実験に比べてパラメータとの相関関係も検討しやすいというメリットがあります。そのメリットを生かして、各特性に対する支配的な影響因子を明らかにし、さらには必要とされる特性を有するナノ構造を数値解析的アプローチによって予測する手法を確立したいと考えています。

  • 主な研究業績・作品等

    • T. Kawamura, M. Imanishi, M. Yoshimura, Y Mori, Y Morikawa, Computational Materials Science 194, 110366 (2021)
    • T. Kawamura, T. Akiyama, A. Kitamoto, M. Imanishi, M. Yoshimura, Y. Mori, Y. Morikawa, Y. Kangawa, K. Kakimoto, Journal of Crystal Growth 549, 125868 (2020)
    • T. Kawamura, Y. Fujita, Y. Hamaji, T. Akiyama, Y. Kangawa, I. Gorczyca, T. Suski, M. Wierzbowska, S. Krukowski, physica status solidi (b) 257, 1900530, (2020)

    GaNのNaフラックス成長シミュレーション

    β-Ga2O3のバンド構造

  • 略歴

    2010年4月 - 現在      三重大学 大学院工学研究科 助教
    2008年4月 - 2010年3月 大阪大学 大学院工学研究科 特任研究員
    2005年4月 - 2008年3月 九州大学 大学院工学府 航空宇宙工学専攻 博士後期課程
    2003年4月 - 2005年3月 九州大学 大学院工学府 航空宇宙工学専攻 博士前期課程
    1999年4月 - 2003年3月 九州大学 工学部 機械航空工学科

  • 社会とのつながり

    日本結晶成長学会、応用物理学会、日本金属学会所属
    日本結晶成長学会 理事・総務委員(2022~2024)
    日本結晶成長学会 ナノ構造エピタキシャル成長分科会 幹事・会計(2019~2024)
    応用物理学会 東海支部 幹事(企画・リフレッシュ理科教室)(2017~)
    日本結晶成長学会講演奨励賞(2005)

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題