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モデル動物を用いた乳幼児突然死症候群の発症機構の解明

大河原 剛

講師

医学系研究科

生命医科学専攻

基礎医学系講座

研究分野: 発生再生医学

tohkawara(AT)med.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • 乳幼児突然死症候群
  • 妊娠中のウイルス感染
  • セロトニン神経
  • ケモカイン

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    乳幼児突然死症候群(SIDS)は、既往歴のない児が睡眠中に突然亡くなる疾患で、現在でも毎年100名弱の児がこの疾患で亡くなっています。これまでのところ、その発症原因は不明ですが、胎生期のセロトニン神経系の発生異常が疑われ、出生後の細菌感染が引き金になる可能性があります。私は、これらの報告を基にSIDSのモデルラットを作成し、発症機序の解明に務めています。

  • 成果、活用例

    私は、SIDSモデルラットの脳でケモカインと呼ばれる細胞遊走因子の発現量が増加していることを明らかにしました。さらに解析を行った結果、少なくとも7種類のケモカインの発現量が、SIDSモデルラットの脳で増加していることがわかってきました。今後は、脳においてこれらのケモカインの発現量が増加した結果、SIDSが引き起こされるのか明らかにしたいと考えています。これらを明らかにすることにより、あらかじめSIDSになりやすい児を見つけ、予防することが可能になります。

  • 今後の展望展開

    SIDS発症の大きな要因である”うつぶせ寝”を予防するキャンペーンにより、SIDSで亡くなる児の数は大きく減少しましたが、現在でも毎年100名弱の赤ちゃんがSIDSで亡くなっています。私が開発したSIDSモデル動物を用いて、発症に関連するマーカーを見つけることで新たな予防方法の開発が可能になり、またモデル動物を用いた薬剤スクリーニングを行うことにより治療薬の開発につながるかもしれません。

  • 主な研究業績・作品等

    • 大河原剛 他 乳幼児突然死症候群とセロトニン神経系の異常 Clinical Neuroscience. 38:1564-67, 2020
    • Ohkawara T, Katsuyama T, Ida-Eto M, Narita N, Narita M. Maternal viral infection during pregnancy impairs development of fetal serotonergic neurons. Brain Dev. 37(1):88-93, 2015.
    • Ohkawara T, Nagase H, Koh CS, Nakayama K. The amyloid precursor protein intracellular domain alters gene expression and induces neuron-specific apoptosis. Gene. 475(1):1-9, 2011

    平成26年6月産経新聞

    NHK視点論点 「医学における解剖学の役割」 2013年8月12日 放送

  • 略歴

    群馬県生まれ。2007年藤田保健衛生大学助教、2010年三重大学医学系研究科助教、2013年同講師、現在に至る。専門領域は、乳幼児突然死症候群、系統解剖学。

  • 社会とのつながり

     

  • 資格

     

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 医療・福祉の課題