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解の公式がない方程式の解を求めたり、その解の性質を調べたりしています。

肥田野 久二男

教授

教育学部

数学教育

 

研究分野: 解析学(偏微分方程式論)

hidano(AT)edu.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • 数学
  • 解析学
  • 偏微分方程式
  • 非線形波動方程式

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    null conditionは満たさないがweak null conditionは満たしているような非線形波動方程式系の初期値問題に対する時間大域解の存在は大きな未解決問題となっています。(2023年2月、英国の研究者による、反例を見つけたと主張する論文がarXivにアップロードされています。)完全な解決までは遠いのが現状ですが、少しずつではありますが意外な成果も挙げてきました。30年前に学んだ手法が役立つ場面がありました。

  • 成果、活用例

    null conditionを満たすような、空間1次元における非線形波動方程式の初期値問題に対する時間大域解の存在は、Tatarによって1981年に発表されました。しかし、その論文は未出版のままでした。その後、米国の大学で学んだ若手研究者たちによって2018年に別の方法で解決されました。非常に斬新な不等式による証明で、大変に素晴らしい成果でありました。一方で、私自身は70年代終わりから80年代初頭に米国の研究者たちが用いた古典的で容易な手法で別証明を与えられることに気がつきました。これは、昔に研究していたことが、最近の考察とあわされることで、意外な成果につながった例だと思います。

  • 今後の展望展開

    国内外の最新の研究の成果を取り入れつつ、自分自身が得意とする方法を主として用いながら、未解決とされている問題を着実に解決していきたいと思っています。

  • 主な研究業績・作品等

    • The Glassey conjecture with radially symmetric data. Joint work with Chengbo Wang and Kazuyoshi Yokoyama. Journal des Mathématiques Pures et Appliquées, Vol.98, No.5 (2012), 518--541.
    • Global existence for a system of quasi-linear wave equations in 3D satisfying the weak null condition. Joint work with Kazuyoshi Yokoyama. International Mathematics Research Notices. IMRN Vol.2020, No.1 (2020), 39-–70.
    • Morawetz-Strichartz estimates for spherically symmetric solutions to wave equations and applications to semi-linear Cauchy problems. Differential and Integral Equations, Vol.20, No.7 (2007), 735--754.
    • アメリカ数学会のデータベースによると、2024年3月31日の時点で437回、203人(自身を含む)に引用されています。そのデータベースでh-indexを求めると、値は13です。また、2018年から2022年の5年間に出版された8本の査読付き論文が、そのデータベースによれば、その後2023年までの間に42回引用されています。
  • 略歴

    1996.04~1996.06 日本学術振興会 特別研究員
    1996.07~2003.03 東京都立大学理学研究科 助手
    2000.10~2001.09 米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校 訪問研究員
    2003.04~2014.03 三重大学教育学部 助教授(准教授)
    2014.04~ 三重大学教育学部 教授

  • 社会とのつながり

    第四回福原賞,非線型波動方程式の時間大域解の存在とライフスパンの研究,2012.12,日本数学会・函数方程式分科会

  • 資格

     

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題