教授
生物資源学研究科
共生環境学専攻
農業土木学
研究分野: 土壌圏システム
皆さんの足もとにある土壌には様々な力があります。植物を育み、有機物を分解し、地球や地域の環境を調節し、時に資材となり私たちの生活を支えています。「良い土」とは何か。水はけがよく水持ちや栄養に富み、適度に温かく、おいしい作物が育つ。また、土は凍結すると、非常に固くまた水を通さなくなる一方、霜柱や凍上など様々な現象を引き起こします。そんな土壌や凍土の保全や利活用について、水・熱移動の視点から教育・研究に取り組んでいます。
土の凍結の分野では、凍土で軟弱地盤を改良する地盤凍結工法に関する基礎的知見の現場への還元、福島凍土壁の正しい理解の説明、カッパドキアの遺跡などの凍結被害からの保護、メタンハイドレートや燃料電池などへの土の凍結に伴う水・熱移動の知見の応用などを続けています。また、水田や畑地の持続的な利用にむけて、土壌有機物分解や可給態窒素の動態について、生産者の方々や様々な分野・機関の研究者と調査・研究に取り組んでいます。
温暖化によって、今後ますます寒冷地の保全や利活用が注目されます。人工凍土も、その環境負荷の少なさや代替のなさから、使用の機会が増えています。これまで培ってきた凍土に関する知見やネットワークを活かし、こうした分野を今後も支えていこうと思います。また、健全な土壌をいかに持続的に活用していくかについて、産官学で連携し地域に求められる研究をさらに進めていきたいと考えています。
名古屋市出身、三重大学卒、北海道大学大学院(低温科学研究所)修了。1999三重大学生物資源学部助教、2000同大学院生物資源研究科准教授、2016同教授、現在に至る。1991北米遊学、1999University of Washington短期留学、2007Washingon State University滞在研究員。
農業農村工学会、日本土壌肥料学会、日本雪氷学会、土壌物理学会、Soil Science Society of America等で編集委員、評議員、事務局長等を務める。2004日本雪氷学会平田賞、2011日本学術振興会科学研究院審査員表彰、2011・2021土壌物理学会論文賞、2021日本雪氷学会関東・中部・西日本支部活動賞、2021農業農村工学会著作賞等受賞。