植物の環境適応と緑化

教育では土壌学・植物栄養学，無機化学などを担当しています。様々な植物の元素集積についてデータを収集し，植物が栄養的に厳しい土壌環境にどの様に適応しているかを調べています。環境適応性に優れた植物を選択し，荒れ地緑化に利用することも行っています。

三重県鳥羽市の沖合にある菅島は，蛇紋岩土壌という代表的な貧栄養土壌でできています。この地において長年行われている採石によって島の半分が荒れ地と化していますが，これまで緑化に使える植物の調査や利用は行われていませんでした。現在，菅島を原産とするハーブ（タイム）を，島民と一緒に緑化や島興しに使えるか見当しています。

菅島のみならず様々な土壌環境に適応した植物の情報を得るために，三重県総合博物館などと共に植物の元素集積データベースの構築を進めています。これらの情報から，様々な荒れ地の緑化に使える植物の選択と利用を進めたいと考えております。

• Fernando DR, Marshall A, Baker AJM, Mizuno T. Microbeam methodologies as powerful tools in manganese hyperaccumulation research: present status and future directions. Frontiers in Plant Science.4, 1-9, 2013. doi: 10.3389/fpls.2013.00319
• Nishida S, Tsuzuki T, Kato A, Aisu A, Yoshida J,and Mizuno T. AtIRT1, the Primary Iron Uptake Transporter in the Root, Mediates Excess Nickel Accumulation in Arabidopsis thaliana. Plant Cell Physiol 52,1433-1442(2011)
• Fernando DR, Mizuno T, Woodrow IE, Baker AJM and Collins RN. Characterisation of foliar Mn in Mn-(hyper)accumulators using X-ray absorption spectroscopy. New Phytologist, 188, 1014–1027(2010)

X線による植物の元素分析

タイムによる緑化試験

北海道出身。北海道大学などでポスドクを行った後，三重大学助手を経て現在三重大学大学院准教授

北海道農業改良普及員資格　取得
登録番号　第５３９６号
エックス線作業主任者資格　取得
免許証番号　第60088924401号

• 環境への課題