機械の設計において,その部品が荷重に耐えられるか,他の部品と予期しない干渉やすき間を生じないかを見積もることのできる材料力学は欠かすことのできない考え方です.一方,高機能化・高品質化が要求される機械に対して新素材や高機能性材料が生み出されていますが,設計に直結できる材料力学的情報や根拠の提供が追いつかず,実用化を躊躇することがあります.新素材や新加工方法によって生成された部材の強度・剛性の特性を実験的に明らかにし,一般化したいと考えています.
企業からのご依頼により,大型機器支持梁の最適設計のための強度解析,圧入棒部品の品質改善にかかわるねじり固定性の実験的評価,ゴム製クッション材と取付手法の耐荷重向上に関する実験的評価,電極材料探査にかかわる強度及び組織調査,プレス加工建材の軽量化設計にかかわる強度解析等を実施してきました.所有する力学試験機の引張圧縮機構とトルク付与(ねじり)機構を利用した小実験,FEMを利用した強度解析などで,各種機械・建材部品の強度や剛性にかかわる情報をご提供してきました.
金属ガラスという材料は非常に高い強度と低いばね定数をもつ特異的な合金です.温度環境と負荷によって耐荷重性や変形特性が大きく変化する特徴をもちます.一方でマグネシウム合金は非常に軽量で重量当たりの強度は鋼をはるかに超える特徴をもちます.こうした高機能性材料についてはパラメータの多さから従来の強度設計基準が通用しません.環境制御型複合負荷試験機による実証データをもとに,各種高機能性材料の強度基準を調査・一般化を進めたいと考えています.
三重県出身.1998~2003年日本板硝子株式会社・生産技術センター・情報電子開発部勤務.2007年3月博士号(工学)取得(三重大学大学院博士後期課程修了).2008年3月三重大学大学院工学研究科助教就任,2015年~同准教授.現在に至る.
1998~2003年の一般企業での生産技術および加工技術開発業務において加工機器設計・技術開発および研究に携わりました.営利目的における設計業務や加工に関するご要望は,経験による同様の立場と現職における客観的な視点から俯瞰的にご対応したいと考えております.また,実験的手法については一般企業で実務経験のある品質工学・実験計画法(タグチメソッド)の手法をご提案し,効率的な開発等の方針をご提案したいと考えております.