経鼻的手術は開頭術に比べ皮膚切開や脳侵襲がなく低侵襲とされています。一方で鼻出血や嗅覚脱失、鼻閉、痂皮形成、異臭など鼻的合併症が術後の患者さんの日常生活に大きな影響を及ぼすことが問題とされています。その中でも空鼻症候群(empty nose syndrome)は「鼻が開通しているのに鼻閉しているように感じる症候」で、いまだに何故そのようなことが起こるのか病態が解明されておらず、患者様は予防治療はおろか、診断がつかないため精神疾患と扱われなど取り合ってもらうことすらできずにいます。
三重大学脳神経外科グループでは脳動脈瘤等での流体力学解析を数多く行ってきた実績があり、それを活用して術前や術後の鼻内の気流の変化や粘膜にかかる圧、温度・乾燥の変化などを解析し、空鼻症候群の要因を探ります。
空鼻症候群の病態を解明することで、それで困っている患者様の診断をつけ、さらに将来的には発生の予防や治療に貢献できると考えています。
1998年 三重大学医学部卒業、三重大学医学部脳神経外科学講座入局、三重県の関連施設で脳神経外科医として従事、2005年 Royal college of surgeons in ireland に留学 てんかんの研究を行う。てんかん耐性マウスモデル海馬CA3における、耐性現象のマイクロアレイ解析の研究にて2008年三重大学医学博士取得
2008年~三重大学脳神経外科助教
脳神経外科学会専門医
日本神経内視鏡学会 技術認定医