科長
附属病院
内科系診療科
腫瘍内科
研究分野:
希少がんとは、年間の発症率が人口10万人あたり6例未満のまれながんの総称です。具体的には、原発不明がん、軟部腫瘍、神経内分泌腫瘍、胚細胞腫瘍などが挙げられます。その多くは、最適な治療体制が未確立。正確かつ最新の情報入手が難しい。薬物治療においては有効な薬剤が少ない、新たな治療薬の開発が難しいなどの課題があります。
これまで三重県で診断された希少がんは、他府県のがんセンターなどに紹介されることが多かったのですが、腫瘍内科では、開設時から希少がんに対する診療に積極的に取り組んできました。診断においては、病理部と緊密に連携し、治療においては標準的な薬物療法を提供してきました。有効な薬剤がほとんどない腫瘍においては、国立がん研究センターで実施されている治験参加などをサポートしてきました。
2019年からDNAに含まれる遺伝情報全体を幅広く調べ、その結果をもとにより効率的・効果的に病気の診断と治療などを行う「がんゲノム医療」が実地臨床に取り入れられました。当科でも希少がんに対して、「がん遺伝子パネル検査」を積極的に実施しています。今後はパネル検査で得られた遺伝子情報をベースとした診療体制の構築、具体的には正確な診断、遺伝子変異にあった治療薬の提供、新たな治療薬の開発に取り組んでいきたいと考えています。
愛知県生まれ。1994年三重大学医学部卒業後、県下の関連病院で研修。1998年から国立がんセンター中央病院で3年間レジデントとして研修。がんセンターでの研修後は、大学附属病院にもどり腫瘍内科を開設し、主に乳癌、消化器癌、希少癌に対する薬物療法を外科、放射線科とも連携して実践。2021年4月から院内がんセンター長を兼任し、県内のがん診療の向上のため行政と緊密に連携して活動。
2008~2009年 三重県がん対策推進協議会三重県がん対策戦略プラン策定検討部会委員
三重県がん検診精度管理検討委員会
三重県がん登録事業運営部会委員
頭頚部がん診療連携プログラム(JSMO)連携協力医師(三重県担当者)
内科医認定、総合内科専門医、がん薬物療法専門医、がん薬物療法指導医