現代の臨床医学では画像診断が診断や治療効果判定に重要な役割を果たしています。私はCTやMRIを使った新しい心臓の評価方法を開発したり、それを臨床にどのように取り入れていくべきかを研究しています。また、患者さんが自分自身の血液検査やCT・MRI画像を自ら管理して利活用できるようなデジタルトランスフォーメーションの推進に取り組んでいます。
CTによる心筋血流評価により虚血を引き起こす冠動脈狭窄をどれほど正確に診断できるかを世界で初めて多施設共同研究によって明らかにした研究を2021年に発表しました。今後は、一度の検査で慢性冠動脈疾患の治療方針を決定できる包括的心臓CT検査の普及が進み、患者さんにとって低侵襲かつ短期間で必要な治療を開始できるようになることが期待されます。
CTによる心筋血流評価は三重県ではかなり一般的になってきました。これを日本全国、さらには海外の研究者と連携して世界に広めていきたいと考えています。そのためには、臨床有用性を示すデータを蓄積するとともに、教育活動や分かりやすい結果表示の開発などが非常に重要で医療機器メーカーなどと連携し取り組んでいきたいです。
三重県生まれ。2020年より医学系研究科寄附講座教授。2022年よりみえの未来図共創機構地域共創展開センター・教授を兼任。循環器科研究員として2006年米国ジョンスホプキンス大学。留学中にジョンスホプキンス大学キャリービジネススクール専門職学位課程卒業・修了。ドイツ研究振興協会メルカトル・フェローとして2019年シャリテー-ベルリン医科大学。
日本医学放射線学会、 日本核医学会、日本磁気共鳴医学会、 Radiological Society of North America、 Society for Cardiovascular Magnetic Resonance、 Society for Cardiovascular Computed Tomography、 Asian Society of Cardiovascular Imaging、 日本心血管画像動態学会、 日本循環器学会に所属。2019年三医会賞受賞。