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種の眠りと発芽の調節メカニズムを明らかにして穂発芽を克服する

加賀谷 安章

准教授

研究基盤推進機構

先端科学研究支援センター

植物機能ゲノミクス部門

研究分野:  

kagaya(AT)gene.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 発芽
  • 休眠
  • 穂発芽
  • 品種改良
  • 遺伝子

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    花が咲いて受粉してできる種子は、休眠という一定期間の眠りに入ります。この眠りは、生産者のすきなタイミングで播種して発芽させる栽培植物では邪魔なために、植物の栽培化(品種改良)の過程で、眠りが浅いものが選抜されてきました。その結果、眠りが浅すぎて、母体植物上で発芽してしまう「穂発芽」が生じる品種が出現して、種子の収量低下や品質低下を招いて問題になっています。そこで、種の休眠と発芽の調節メカニズムを明らかにして穂発芽を克服できる品種改良方法の開発を目指します。

  • 成果、活用例

    種子の眠りをコントロールする鍵遺伝子と眠りを覚醒する鍵遺伝子を発見しました。これらの遺伝子をモデル植物のシロイヌナズナで壊してしまうと穂発芽が生じることを見出しています。この知見を基に、穂発芽が問題になっている栽培植物での穂発芽発生原因を明らかにできることが期待されます。

  • 今後の展望展開

    穂発芽が問題になっているアブラナ科野菜の穂発芽原因遺伝子を特定することを進めています。アブラナ科野菜では、シロイヌナズナで種子の眠りをコントロールする鍵遺伝子が壊れている可能性が高いです。壊れた箇所をゲノム編集で修復することができれば、穂発芽を克服できると期待されるため、その実証を進めていきます。

  • 主な研究業績・作品等

    • Kagaya Y, Hobo T, Murata M, Ban A, Hattori T. Plant Cell 14, 3177-3189 (2002)
    • Kobayashi Y, Yamamoto S, Minami H, Kagaya Y, Hattori T. Plant Cell 16, 1163-1177 (2005)
    • Kagaya Y, Toyoshima R, Okuda R, Usui H, Yamamoto A, Hattori T. Plant Cell Physiol. 46, 300-311 (2005)

    遺伝子破壊により作出したシロイヌナズナの穂発芽変異体

    アブラナ科野菜のハクサイの穂発芽

  • 略歴

    秋田県出身。1997年から日本学術振興会特別研究員。2000年から 生物系特定産業技術研究推進機構派遣研究員。2001年から三重大学遺伝子実験施設助手。2007年から助教。2015年から先端科学研究支援センター植物機能ゲノミクス部門 准教授。

  • 社会とのつながり

  • 資格

    第1種放射線取扱主任者免状

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題