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薬物療法における個体差の解明と至適投与量の予測を可能にする数理モデルの開発

平井 利典

講師

附属病院

薬剤部

 

研究分野:  

hirai-toshinori(AT)med.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • 個別化医療
  • 臨床薬理学
  • 薬物動態学
  • 薬物相互作用
  • 薬物血中濃度モニタリング

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    遺伝的・環境的要因は薬効ならびに副作用の発現に大きな差異をもたらします。有効かつ安全な薬物療法には、患者さんの個人差を踏まえた医薬品の選定と過不足のない投与量の決定が鍵を握ります。1人1人の患者さんに適した薬物療法を提供すべく、①医薬品の薬効・副作用や薬物相互作用(のみ合わせ)の原因究明②至適投与量の予測を企図した数理モデルの開発を2大テーマとして重点的に取り組んでいます。

  • 成果、活用例

    病院所属の利点を活かして、臨床現場で遭遇した事例に基づいて研究テーマを設定しています。これまでに、抗凝固薬や降圧薬の副作用に影響する薬物相互作用を調査したり、免疫抑制剤の薬物血中濃度は、併用薬、合併症、遺伝子のタイプの影響を受けることを明らかにしました。さらに、抗真菌薬による高カリウム血症や尿酸合成阻害薬の薬効を予測する数理モデルを開発し、有効かつ安全な薬物療法の基盤となる成果を発信しています。

  • 今後の展望展開

    医薬品による副作用や薬物相互作用がメディアで大々的に取り上げられることも少なくありません。薬効・副作用や薬物相互作用の要因を踏まえた予測法の開発を通して、質の高い薬物療法の提供を目指します。今後は各領域の臨床家・研究者と密接に連携しつつ、数理モデルを始めとした予測ツールの臨床応用を最終的なゴールとしています。

  • 主な研究業績・作品等

    • Toshinori Hirai, Yoshihiko Morikawa, Ritsuki Onishi, Yusuke Nakatani, Kouhei Nishikawa, Takahiro Inoue, Takuya Iwamoto Br J Clin Pharmacol. 2023. Online ahead of print.
    • Toshinori Hirai, Shun Ueda, Toru Ogura, Kan Katayama, Kaoru Dohi, Keiko Hosohata, Takahiko Aoyama, Yoshiaki Matsumoto, Takuya Iwamoto J Hypertens. 2023;41:580-586.
    • Toshinori Hirai, Chihiro Shiraishi, Sumire Nakai, Miu Ushiro, Kazuhiko Hanada, Takuya Iwamoto. Basic Clin Pharmacol Toxicol. 2022;131:380-391.
  • 略歴

    出身地:茨城県
    専門領域:臨床薬理学、薬物動態学

    2020年12月 三重大学医学部附属病院 薬剤部 講師

    薬物療法の質の向上を目指した研究を行っています。

  • 社会とのつながり

    受賞歴
    第40回日本臨床薬理学会学術総会優秀演題賞 (2019年12月)
    日本TDM学会「IATDMCT2021学術大会」派遣賞 (2021年5月)
    臨床薬理研究振興財団賞「学術論文賞」 (2021年12月)

    社会貢献活動
    日本腎臓病薬物療法学会 代議員
    日本臨床薬理学会 評議員(社員)
    日本医療薬学会 代議員

  • 資格

    薬剤師免許 (2009年4月)
    臨床検査技師免許 (2009年4月)
    日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師 (2020年1月)
    日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師 (2020年1月)
    日本臨床薬理学会指導薬剤師 (2020年4月)

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 医療・福祉の課題