がんの早期発見は、がんの生存率をあげる重要な要因です。しかし、脳腫瘍の生存率は、他のがんに比べ、ここ20年でほぼ変化がありません。それは、脳腫瘍が発見される時期が遅いことが原因のひとつと考えられています。症状が出て、初めて検査をして、脳腫瘍が発見される患者さんが多く、その時にはすでにかなりの大きさに進行しているため、手術で完全に取り除くことは難しくなります。そこで、腫瘍が小さいうちに発見し、治療を開始することが重要と考えています。
バイオマーカーとして生体の機能を調整する核酸のmicroRNAに注目しています。microRNAは、尿中にも存在しているので簡単に採取できますが、多くの種類のmicroRNAを集めることはできません。そこで、効率良く集められる装置を開発して、脳腫瘍特有のmicroRNAを特定することができれば、脳腫瘍のスクリーニングを正確に行えます。
肺がん等の他のがんも尿で高精度に診断できる可能性が高いと考えています。それを達成することで、わずかな尿を使用し、脳腫瘍だけではなく、多種類のがんを同時に発見できる可能性があります。
2010年 奈良県立医科大学医学部卒業、三重県の関連施設で脳神経外科医として従事、
2018年~名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科学で特別研究学生として尿中マイクロRNAによる脳腫瘍の診断モデルの研究、2021年三重大学大学院 医学博士取得
2022年~三重大学医学部附属病院脳神経外科助教
令和3年度 がん研究等学術助成賞、令和4年度 第28回生命の駅伝 がん研究奨励賞
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
がん治療学会認定医
日本脳血管内治療学会血栓回収療法医