お問い合わせ

話せば分かる?――社会問題をめぐるコミュニケーション齟齬の研究

林原 玲洋

准教授

人文学部

文化学科

日本研究

研究分野:  

キーワード

  • コミュニケーション齟齬
  • 社会問題
  • 議論
  • オンラインコラボレーション
  • ゲーミフィケーション

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    社会問題をめぐる議論を、コミュニケーション齟齬の観点から研究しています。「議論」をすることは、一般に「善い」ことであるとされているように思います。しかし、議論をすることは、つねに「善い」結果をもたらすとは限りません。議論をすればするほど、互いの議論の「噛み合わなさ」が露呈し、感情的な対立が深まっていく――そんなもどかしい体験をしたひとも多いのではないでしょうか。このような議論の「噛み合わなさ」がどのように生じるのかを、社会学とレトリック論の知見を応用して解き明かすことを目指しています。

  • 成果、活用例

    議論の「噛み合わなさ」を分析することは、議論を「噛み合わせる」ツールの開発にも役立つのではないかと考え、近年は議論の方法を学ぶ教材の開発にも取り組んでいます。授業で実践しているのは、議論の構造をあらわすマインドマップを協同で描き、より多様な論点の発想や証拠の活用を目指すというもので、私はこれを「論証ゲーム」と名付けています。

  • 今後の展望展開

    論証ゲームで描くマインドマップはもともと手書きだったのですが、2020年からはオンライン授業に対応するため汎用のコラボレーションツールを利用しています。あらかじめ作図のルールを決めておけば実用には耐えるのですが、議論をサポートするという目的に照らすと、汎用のツールには過不足があるように思います。今後もし連携の機会があれば、議論のサポートに特化したシステムの開発に貢献したいと考えています。

  • 主な研究業績・作品等

    • 林原玲洋、2010、年報社会学論集、23:141-152
    • 林原玲洋、2011、新記号論叢書・セミオトポス、6:211-227
    • 江原由美子・加藤秀一・左古輝人・三部倫子・須永将史・林原玲洋、2019、『争点としてのジェンダー――交錯する科学・社会・政治』ハーベスト社
  • 略歴

    埼玉県出身。1999年 中央大学文学部卒業、2008年 東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。埼玉大学ほか非常勤講師を経て、2016年 三重大学教養教育機構講師、2021年 三重大学教養教育院准教授、2022年 三重大学人文学部准教授。

  • 社会とのつながり

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 教育の課題