助教
工学研究科
機械工学専攻
環境エネルギー
研究分野: 流動制御研究室
流れが勢いづき乱流になると,それによる輸送能力は層流状態よりはるかに大きくなります.その結果熱交換性能の向上という恩恵がありますが,同時に流動損失も増大してしまう問題があります.私の研究では平板上の乱流や噴流などで秩序乱流構造を特定し,それによる輸送効果を評価しています.そして場面に応じて最も望ましい形で乱流の効果を享受できるよう,それらの制御技術開発を推進しています.
乱流現象の中には非相似輸送を発現させるものがあり,これを利用すると流動損失は低減しながらも熱交換が増大するという嬉しい効果が得られますので,その応用はエネルギー問題解決に直結します.またどのような流れの幾何的条件がどのような性能の乱流を形成するかのルールが把握できれば,機械設計者らが試行錯誤に労力を割かなくて済むようになり,リソース損失が抑えられます.
乱流はいたるところにあり,機械のまわりだけにとどまりません.乱流制御技術を機械の高性能化だけに応用していてはもったいありません.将来的にはより人の身近なところ,例えば人によって心地よい空間の演出に,乱流現象を活用したいと検討しています.そのためにただいま,神経科学や心理学分野の情報収集を進めながら,乱流科学の全く新しい応用可能性を探っています.
2014年名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業,2016年名古屋大学大学院工学研究科機械理工学専攻博士前期課程修了,2019年同後期課程修了.博士(工学).2019年4月より現職.
流体若手夏のオンライン交流会2020代表幹事.流体若手夏の学校2021代表幹事.