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水産資源の有効利用のためにゲノム情報を読み解く!

五十嵐 洋治

助教

生物資源学研究科

生物圏生命科学専攻

海洋生命分子化学

研究分野: 海洋生物化学

igarashi(AT)bio.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 生化学
  • 分子生物学
  • 水産養殖
  • ゲノム育種
  • バイオインフォマティクス

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    生命科学の発展に伴い研究の成果として得られるデータの種類や量が飛躍的に増えています。バイオインフォマティクスは、生命科学と情報科学を融合した分野であり、生物における膨大で無秩序に見えるゲノムやタンパク質や形態のデータを整理し、生物学的に意味のある知識を理解するために幅広い分野で活用されています。私達は限りある水産資源の保全・有効利用するためにバイオインフォマティクスを活用した有用品種の育種開発に取り組んでいます。

  • 成果、活用例

    従来の育種では「成長が早い」、「病気に強い」、「環境変化に強い」といった形質を持つ個体・品種の選抜交配を何世代も繰り返し優秀な品種を作出してきましたが、生物が持つゲノム情報を利用する「ゲノム育種」が様々な生物で可能となりました。たとえば、生物のゲノム情報の中からバイオインフォマティクスを駆使して優良な形質と関係する遺伝子やその目印(遺伝子マーカー)を見つければ、その遺伝子マーカーを持つ個体を選抜することで、優良な形質を持つ個体・品種を効率的に作出することができると期待されます。

  • 今後の展望展開

    現在、地球規模で起こっている環境変動は食料資源の生産量・生産額を不安定化させ、養殖業者の経営のみならず、地域経済にも深刻な影響を及ぼしています。私達は三重県の重要な水産養殖種であるスサビノリやアサクサノリ、ヒトエグサなどの海藻類について環境からのストレスに耐性のある遺伝的要因や生体機能を明らかにすることを目的として研究を行っており、今後も県や地元企業、さらには現場の生産者の皆さんと協力して私達の研究成果を地域社会に還元していきたいと考えています。

  • 主な研究業績・作品等

    • Igarashi Y, Mori D, Mitsuyama S, Yoshitake K, Ono H, Watanabe T, Taniuchi Y, Sakami T, Kuwata A, Kobayashi T, Ishino Y, Watabe S, Gojobori T, & Asakawa S. A Preliminary Metagenome Analysis Based on a Combination of Protein Domains. Proteomes. 2019, 7(
    • Igarashi Y, Zhang H, Tan E, Sekino M, Yoshitake K, Kinoshita S, Mitsuyama S, Yoshinaga T, Chow S, Kurogi H, Shinoda A, Han Y-S, Wakiya R, Mochioka N, Yamamoto T, Kuwada H, Kaji Y, Suzuki Y, Gojobori T, Kobayashi T, Saitoh K, Watabe S, & Asakawa S. Whole-G
    • Igarashi Y, Doi H, Yamanoue Y, Kinoshita S, Ishibashi T, Ushio H, Asakawa S, Nishida M, & Watabe S. Molecular phylogenetic relationship of Tetraodon pufferfish based on mitochondrial DNA analysis. Fisheries Science. 2013, 79, 243-250.

    バイオインフォマティクスを活用した研究のイメージ図

    ヒトエグサのサンプリング風景

  • 略歴

    福井県生まれ。2013年東京大学大学院農学生命科学研究科にて学位取得後、同研究科特任研究員を経て、2020年三重大学大学院生物資源学研究科助教に着任。現在に至る。

  • 社会とのつながり

  • 資格

     

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 環境への課題
    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題