准教授
医学系研究科
生命医科学専攻
臨床医学系講座
研究分野: 血液・腫瘍内科学
骨髄増殖性腫瘍(MPN)は血栓症や出血、疾患進行を予防するための最適なマネージメント、治療を行いながらの長期フォローアップが必要です。外来診療が中心となり、その時々の患者さんの希望や生活環境に応じて主治医が一緒に最適な治療を考えていく必要があります。病態に関してわからないこともまだ多く、病態の解明に関する基礎研究や、診断法、臨床的特徴に関する臨床研究を基盤として、MPNの最適な治療法が確立できたらと考えています。
PDGFRAという遺伝子の異常が関与しておこるMPNの、世界で7番目となる新規融合遺伝子、FOXP1::PDGFRAを発見し、報告しました。また、三重大学医学部附属病院中央検査部遺伝子検査室の協力を得て、MPNの遺伝子変異解析を行っており、通常の検査会社の解析では検出できない遺伝子変異も多く見つかっています。これらの結果を基に日本人におけるMPL遺伝子変異陽性MPNの特徴を報告しました。
今後、固形癌のように、血液腫瘍でも遺伝子パネル検査が保険で認められ、初診時に多くの血液腫瘍の患者さんが遺伝子パネル検査を行うようになる可能性があります。その時に備えて、現在行っている、当院独自のMPNやその他の骨髄系腫瘍の次世代シークエンスパネル研究をすすめるとともに、まだ明らかにされていない日本人若年MPN患者さんの病態や最適なマネージメント法の解明のための臨床研究もすすめていきたいと思っています。
三重県伊勢市生まれ。三重大学医学部卒業後、天理よろづ相談所病院で初期・後期研修を行う。三重大学大学院医学研究科血液腫瘍内科学博士課程修了後、2009-11年にクリーブランドクリニックにリサーチフェローとして勤務。2022年より三重大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学准教授。
日本血液学会評議員、同MPN(骨髄増殖性腫瘍)研究実行委員会委員、同広報委員会委員、同ゲノム医療委員会委員を務めている。骨髄増殖性腫瘍患者・家族会(MPN-JAPAN)東海地区医学顧問でもある。2007年度三重県医師会 医学研究奨励賞、2011年度公益財団法人三重県健康管理事業センターがん研究助成受賞。
日本内科学会認定内科医、総合内科専門医・指導医
日本血液学会認定血液専門医、指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
ICLSインストラクター、JMECCインストラクター