准教授
教育学部
保健体育
研究分野: 体育科教育学
「主体的・対話的で深い学び」への授業改善が目指されていますが、教師-児童間や児童-児童間で対話が成立しない多くの場面に出会い、現場の先生方からも現状の対応に苦慮している声も耳にしてきました。私たちは普段言語によるかかわりが多いために、言語的なアプローチによって対話の成立を目指すことが多いと思います。一方で、人と人とのかかわりの基盤となるのは表情や動きといった身体です。身体運動を主とする体育授業から課題の解決へ向かいたいと考えています。
体育の中では、集団で行う鬼遊びやボール運動など、他者とともに目的の達成を目指す運動が多くあります。この運動中に仲間の位置に注意を向け、連携をはかろうとできる児童は、教室授業の中でペア活動をするときにも、一方的に自分の考えを伝えるのではなく、相手の考えを察し、2人で考えを共有しながら話を進めるという特徴があることがわかってきています。体育授業中の児童の動きを観察することで、より児童の特性や現状を把握することができます。
現時点では、身体運動に他者と協調するスキルが表れることが見えてきていますが、身体運動の中で他者とともに目的を向かい、連携する経験を重ねることが、日常生活や教室授業の振る舞いにも変化を与えることを検証していく予定です。また、教室授業や日常生活における行為から他者と協調するスキルを評価する指標の開発も考えています。
三重県出身、2010年三重大学大学院教育学研究科修了し、三重県内の公立小学校で4年勤務した後、2014年に三重大学教育学部講師として着任。2017年より教育学部准教授
小中学校校内研修会(体育・授業づくり・学び合い等)講師、保幼園内研修(遊び・運動遊び・発達)講師、教員研修(体育・運動遊び・授業づくり等)講師、四日市市教育委員会教育アドバイザー(2015年~現在)、桑名市スポーツ推進審議会委員(2016~現在)、日本スポーツ心理学会優秀論文奨励賞(2020年)