学校現場は急速に変化する社会の中で生徒指導上の多様な問題を抱えており、組織的な対応が求められています。いわゆる生徒指導体制の構築として、教師集団が共通の指導方針・目標を共有しつつ、個々の教師の指導観が尊重され、同僚教師や家庭・専門機関などと連携すること、が必要であるとされてきました。しかし、現実には様々な問題が山積しています。生徒指導体制の実際はどうなっているのか、具体的には教師集団の認識の差異を解説し、明らかにすることを目指しています。
研究の成果をまとめた「生徒指導体制を構築するための実践ガイド(風間書房、2021)として、発刊することができました。きっかけになったのは、「生徒指導体制における共有理論と固有理論の研究(瀬戸、2017)」論文が、電子データベース図書館でのダウンロード回数において、予想を大きく上回ったからです。今までにない経験でした。その背景には、学校現場の切迫した要請があるのではないかと判断し、出版の機会を得る中で社会貢献を目指しています。
学校現場の合言葉である生徒指導体制の実際はどうなっているのか、日々の指導実践のクライマックスに欠かせないであろう生徒指導体制とは何を指すのか、年代や校種などによる個々の教師認識の差異を通して、その実際に接近しようとする数量的検証に加えて、理論的検証も進める予定です。また、得られた成果を学校現場に還元するための研修プログラムを開発する予定です。
北海道出身、岩手大学工学部卒業、筑波大学大学院教育研究科教科教育専攻修了、博士(教育学)筑波大学、公立学校教諭、筑波大学大学院非常勤講師、東京農業大学生物産業学部准教授、北海道教育大学・教職大学院教授を経て、現在、三重大学・教職大学院教授