中国の文学評論や著作として発表される近代以降の中国文学史を通し、中国の文芸思想の歴史的変遷や、中国知識界に継承される独特の文化や伝統を考察するという研究を行っています。また、初級中国語教授法についても研究しています。
80~90年代の社会転換期の中国知識人たちが、大衆の暮らす「民間」の世界へ寄せたイメージや期待を解読することに取り組んできました。また、研究や現場で得た中国語初級学習者に関する知見を、大学だけでなく放送大学などの生涯学習の場でも活用しています。
中国近現代文学史には、東洋と西洋の対立関係、コンテンツとイデオロギーの相関など、我々の身の回りの現象に直結する話題が意外に多くあります。すでに評価の定まったものを問い直し、さらにまたそれを問い直すという人文系知的エリートの営みを観察することで、現代中国理解に資する知見を獲得していきたいと考えています。
三重県出身。一橋大学言語社会研究科博士後期課程満期退学。2015年より三重大学人文学部の特任教員として勤務。