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ゼブラフィッシュを用いたヒト疾患モデルの開発とその応用

臧 黎清

特任講師

地域イノベーション学研究科

バイオイノベーションユニット

 

研究分野:  

liqing(AT)innov.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 分子生物学
  • モデル動物
  • ゲノム
  • 遺伝子
  • 薬理学

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    ゼブラフィッシュは、インド原産の体長3~5cmほどの小型熱帯魚です。1970年代から実験動物として扱おうと提案されて以来、環境科学・発生学・遺伝学などの分野において幅広く用いられています。近年、医学研究での病態生理研究や創薬開発での利用が急速に拡大しているため世界的に注目されています。

  • 成果、活用例

    ヒト疾患モデル動物とは、人間の病気と同様な症状が起こるように作られた実験動物です。例えば、過剰給餌によりゼブラフィッシュがヒトと同様に体重が増え、血中脂質が上昇、脂肪肝または内臓脂肪の蓄積などの症状を表す肥満モデルゼブラフィッシュを開発しました。その応用と研究成果として、アオサ、紅藻、緑茶、ゆず、グロビン蛋白分解物など50種類以上の天然物・抽出物の抗肥満効果や作用機序を評価・解明して、抗肥満保健機能食品の開発に科学的根拠に基づいたターゲットを提供しています。

  • 今後の展望展開

    ゼブラフィッシュ肥満モデルのほかに、2型糖尿病、糖尿病性腎症、骨粗鬆症や創傷治癒などのヒト疾患モデルを用いて、病因病態解析、創薬や遺伝子治療へのアプローチ、機能性天然素材の開発などを研究を行い、人の健康維持や病気治療へ新たな道を開拓したいと思います。

  • 主な研究業績・作品等

    • Zang L, et al. Ecotox Environ Safe. 2022;231:113211.
    • Zang L, et al. Front Nurt. 2021;8:650975.
    • Zang L, et al. Front Cell Dev Biol. 2021;9:588093.
    • 英語論文被引用回数:2049件(2023.12.19迄) H-index: 20

    ゼブラフィッシュ飼育システム

    ゼブラフィッシュ肥満モデル

  • 略歴

    中国生まれ。2000年中国の医科大学卒業。2001年来日、2006年三重大学大学院医学系研究科薬理学講座博士課程修了。同年三重大学大学院医学系研究科助教。2016年三重大学大学院地域イノベーション学研究科助教。2017年から2018年アメリカバンダビルド大学研究員。2021年から現職。

  • 社会とのつながり

    日本生化学会、日本分子生物学会、日本薬理学会、日本未病学会、日本女性科学者の会に所属

    2015年10月 第22回日本未病システム学会学術総会 優秀演題賞
    2018年10月 日本未病システム学会学術総会 最優秀論文賞
    2021年11月 日本未病学会 最優秀論文賞
    2022年11月 日本未病学会 優秀演題賞

  • 資格

     

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題