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光を使って生命機能を操作する

稲葉 弘哲

講師

医学系研究科

生命医科学専攻

基礎医学系講座

研究分野: 組織学・細胞生物学

hinaba(AT)med.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • 細胞生物学
  • 光遺伝学
  • 細胞骨格

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    細菌から人まで、多くの生物は光に応答するタンパク質を持っています。この光応答性タンパク質の性質を利用する技術の1つに光遺伝学があります。光遺伝学とは特定の細胞に光応答性タンパク質を生産させ、その細胞に光を照射することで、細胞の機能を操作することのできる技術です。顕微鏡による「観察」に光遺伝学による「操作」を加えることで、新たな生命の仕組みを発見することが期待できます。

  • 成果、活用例

    光遺伝学は、神経科学の分野で大きく発展しています。神経回路の解明や、記憶の書き換えなどが挙げられます。また、近年では失明患者の視力回復の治療法としても活用されつつあります。私は細胞生物学で活用し、生命システムの理解につなげたいと考えています。

  • 今後の展望展開

    光遺伝学の特徴は高い時空間分解能で細胞内のシグナル分子の活性を高い特異性で制御できる点にあります。自然界にある光応答性タンパク質だけでなく、新たにさまざまなシグナル分子を操作できる新たなツールを開発し、細胞内の現象を人為的に制御することで新たな生命の仕組みを見出し、病気の治療法の開発に繋げていきたいと考えています。

  • 主な研究業績・作品等

    • H Inaba, Q Miao, T Nakata (2021) Journal of Biological Chemistry, 296, 100290
    • H Inaba, K Yoda, H Adachi (2017) Journal of Cell Science, 130(18) 3158-3172
    • H Inaba, H Goto, K Kasahara et al.(2016) Journal of Cell Biology, 212(9, 409-423
  • 略歴

    東京都生まれ。2008年東京大学農学部卒業、2013年東京大学大学院農学生命科学研究科博士後期課程修了。2013年〜2016年愛知県がんセンターリサーチレジデント。2017年〜2021年東京医科歯科大学助教。2022年〜三重大学医学系研究科講師。

  • 社会とのつながり

     

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題