環境とエネルギーの調和を目指した高機能触媒の製造と開発を行っています。自動車燃料や航空機の液体燃料はエネルギー密度が高く、蓄電池では代替が難しいと言われています。我々はこれを再生可能なバイオマスや廃プラスチックから製造するための触媒開発を行っています。再生可能なエタノールとCO2からあらゆるプラスチックや燃料を製造できる合成ガスを得るための触媒を開発します。廃水中の有害物質から燃料を得る触媒開発を行っています。
環境とエネルギーの調和を目指した高機能触媒として、まず新しいタイプの階層構造触媒を提案し、作製することができました。ゼオライトと呼ばれる高活性な触媒の周囲により大きな孔をもつシリカなどの無機物質を階層的に製造することにより、非常に高活性な触媒を作ることができました。これを利用することで、バイオマスである油脂や廃プラスチックであるポリエチレンを高効率に燃料や化学品原料に分解することができることが分かりました。エタノールとCO2から合成ガスを得るための触媒でもいくつかの成果を得ることができました。
近年、脱石油、脱石炭などの脱化石燃料化が押し進められており、それに対応したカーボンニュートラルを指向した技術開発の推進が求められています。我々は、カーボンニュートラルを指向した燃料や化学品原料の開発を進めるための技術開発、具体的には新しい固体触媒の開発を行っていきます。その中で、再生可能なバイオマスの有効利用、CO2の利用技術開発、廃棄物処理技術の開発など環境とエネルギーの調和を考慮した技術開発を進めていきます。
京都市生まれ。東京農工大学助教授を経て、2006年より工学研究科教授。文部省在外研究員として1994年-1995年米国ノースウェスタン大学に留学。
石油学会東海支部長2020年度、石炭炭素資源有効利用研究会理事2021年度から、触媒学会理事2016,2017年度。1996年石油学会奨励賞、2005年日本エネルギー学会進歩賞、2006年石油学会論文賞、2022年三重大学論文賞、2022年度石油学会賞(学術)など受賞。
第1種放射線取扱主任者