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風力発電の高効率化と風特性の解明

前田 太佳夫

教授

工学研究科

機械工学専攻

環境エネルギー

研究分野: エネルギー環境工学

maeda(AT)mach.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 風力発電
  • 風特性
  • 再生可能エネルギー
  • 空気力学
  • 流体工学

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    脱炭素化社会を目指して,再生可能エネルギーが注目されています.再生可能エネルギーの中でも風力発電は効率やコストの面で有望です.従来は陸の上に設置される陸上風車が主流でしたが,広い面積を活用できて風が強い海上に設置される洋上風車の導入も盛んになっており,新しい技術が次々と開発されています.信頼される電源として,今後益々風力発電を普及させるためには,風車に流入する風の性質を知るとともに,風車本体の高性能化が必要となります.

  • 成果、活用例

    風車は,風から機械的にエネルギーを抽出し,その後,電気に変換します.そのため,風から機械エネルギーへ変換するための最も重要な部品が翼(ブレード)です.この翼周りの流れを解析することにより,風車出力を向上させるための翼形状を開発することができ,また,効率の良い風車運転制御を構築することができます.また,風車のエネルギー源となる風を調べることにより,風の強さや乱れが風車の発電量や荷重へ及ぼす影響を知ることができます.

  • 今後の展望展開

    風力発電が広く利用され信頼できるエネルギー源であるためには,コストが重要です.そのため,発電コストを低減させるためには,風車の出力向上を目指す必要があります.一方,風車の出力を向上させようとすると,風車に作用する荷重が増加し,風車を強固に製作する必要があり建設コストを引き上げることになります.これらのことから出力向上と荷重低減はトレードオフの関係になります.今後は出力を可能な限り維持しながら,荷重を低減できる運転制御システムなどの研究を進めたいと考えています.

  • 主な研究業績・作品等

    • Hoang P H, Maeda T, Kamada Y, Tada T, Hanamura M, Goshima N, Iwai K, Fujiwara A, Hosomi M, Journal of Energy Resources Technology, Trans. ASME, 144, 010903, 7p., 2022.
    • Matsuda T, Maeda T, Kamada Y, Ushigusa T, Kobayashi H, Tanaka N, Journal of Physics: Conference Series,1618, 052022, 10p., 2020.
    • Morimoto K, Kamada Y, Maeda T, Journal of Fluid Science and Technology, 13 (3), 12p., Website, 2018.

    大形風洞

    30kW研究用風車

  • 略歴

    名古屋市生まれ.1991年名古屋大学工学部助手.1992年三重大学工学部講師.1995から1996年オランダ王国デルフト工科大学風力エネルギー研究所フェローシップ研究員.1997年三重大学工学部助教授.2005年から現職.

  • 社会とのつながり

    2020-2021年 日本風力エネルギー学会 会長(代表理事)
    2005-2021年 日本風力エネルギー学会 理事
    2010-2019年 日本風力エネルギー学会 論文委員長
    2020-2021年 経済産業省 新エネルギー発電設備事故対応・構造強度WG委員長
    2019-2021年 新エネルギー財団 新エネルギー産業会議風力委員会 委員長
    2007-2021年 津市環境審議会委員
    2008-2011年 国際エネルギー機関(IEA) 風力研究開発部門 第29分科会委員
    1998-2002年 国際エネルギー機関(IEA) 風力研究開発部門 第18分科会委員

  • 資格

    第三種電気主任技術者,第二種電気工事士,宅地建物取引士

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題