音は大切な環境の一つです。豊かな生活空間において快適な音環境の実現は不可欠です。建築空間内で生じる反射音の構造(響き)が在室者に与える心理的影響について興味を持って研究に取り組んでいます。室内の響きは、音源によらず音の明瞭性や空間性、立体感などの主観印象に影響を与えます。この関係性を明らかにすることで、空間の目的に合った響きをデザインすることができ、使いやすく快適な音環境を創ることができます。
響きと聴感との関係を研究することは、様々な空間の音環境をデザインすることに役立ちます。会議室といった会話を主目的とする空間では明瞭な音声伝達が実現でき、コンサートホールなどの音楽空間では、音楽をより美しく聴かせることができ、また演奏しやすいステージを作り出すことができます。日常生活の様々な空間においても、騒音の制御や適切な響きをデザインすることによってストレスのない快適な環境を創ることができます。
産学連携が可能な研究テーマとしては以下のような内容が挙げられます。
・無響室での自由音場における各種音響測定、仮想音場による主観評価実験の実施など
・住宅・オフィス等における室内の音の問題解決
・遮音性・吸音性など音響的性能を高めた内装材等の開発
など
愛知県生まれ。三重大学大学院工学研究科准教授を経て、2022年より同教授。2001年フィンランドVTTおよびデンマークDTUに在外研究員として在籍。
ISO/TC163 断熱国内審議会 SC1/WG8 作業部会・委員,三重県公害事前審査会・委員,三重県環境影響評価委員会・委員,三重県環境審議会騒音振動専門委員会・委員,三重県公害審査会・公害調停委員,三重県大規模小売店舗立地審議会委員・同会長などを務めた。現在は中部国際空港の航空機騒音に関する検討委員会委員・同会長,伊賀市環境審議会・会長,松阪市環境保全審議会・委員を務めている。