教授
工学研究科
分子素材工学専攻
生物機能工学
研究分野:
世界を形作る物質は100種程度の元素から構成されている。数少ない元素の組み合わせから新しい機能を生み出すことが材料研究のだいご味である。複雑な物質や現象を分解して理解し、新しい物質をビルドアップする能力を育てることが学生に対する教育の目標である。その材料を組み合わせて作られるデバイスとして電池をテーマにした研究を行ってきた。電池は電気エネルギー活用の幅を広げることを可能にする。時代に即した新しい電池を生み出すことで社会貢献したい。
基礎研究として以下のテーマに取り組んだ。電池に関わる物質の状態図作成、新規固体電解質材料の提案、固相中のイオン伝導と結晶構造の相関、炭素材料の微細構造とインサーション反応の関係、集積型金属錯体の電極への適用、窒化物負極の提案、正負極材料の反応機構解明、新しい電池として、全固体ポリマー電池やリチウム空気電池などを提案した。また、同様の研究を酸化物燃料電池系にも展開した。これらにより約400の報文を発表している。
材料研究者として、世界初演の材料開発を行うことが目標。従来はセラミックスを材料開発の中心としてきたが、その枠を有機物にまで広げて、有機・無機の複合化等による新しい機能の探索を進める。また、電池はイオン移動に基づくデバイスなので、新しい電池を開発する上で、選択的に必要な物質のみを輸送する隔膜を実現したい。膜を扱う企業との共同研究を介して、そのような機能性膜の開発を進めることが必要と考えている。
京都市生まれ。1990年三重大学工学部助手。1993から1995年University of Aberdeen(英国)に留学。2000年三重大学工学部助教授。2012年から現職。
平成29年 電気化学会東海支部 支部長
令和元年 電気化学会 理事
令和3年 固体イオニクス学会 理事
令和3年 電気化学会 電池技術委員会 委員長
平成7年4月 電気化学会進歩賞・佐野賞(電気化学会)
平成28年10月 ECS Battery Division Research Award(The Electrochemical Society)