近世ヨーロッパの哲学を中心に研究しています。とくに近世哲学を因果論の発展史として捉えることを通じて,ドイツ観念論の影響下に形成された近世哲学を観念論の発展史としてとらえる哲学史記述,デカルトを近世哲学の祖と見るような哲学史記述を書き換える作業に取り組んでいます。
哲学的に考えるとは,原理的な事柄まで遡って物事を捉え直すことであり,論理的に表現するとは,筋道を立てて表現することです。このようなスキルは,哲学研究者だけでなくだれにとっても重要なものです。令和3年度まで実施された教員免許更新講では,そうしたスキルを身に付けるための実践的トレーニングの提供を行いました。
すでに知られている事実でも,広くは知られていない事実,あるいは忘れ去られている事実があり,そのような事実が社会に共有されることが,社会を変えていく力になります。哲学的に考え論理的に表現する前提となる事実の発掘にも取り組んでいくことができれば,と思っています。
北海道出身,1992年より三重大学教育学部助教授,2004年より同教授
大学入試センター出題委員,日本学術振興会科学研究費委員会専門員