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クライオ電子顕微鏡による分子観察情報から医薬品・環境分野への応用

谷 一寿

特任教員

医学系研究科

生命医科学専攻

産学官連携講座

研究分野:  

ktani(AT)med.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 構造生物学
  • クライオ電子顕微鏡
  • 光合成細菌
  • 太陽光エネルギー
  • ドラッグデザイン

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    クライオ電子顕微鏡等を用いてタンパク質などの立体構造を原子レベルで観察することで、細胞内外の輸送を司る膜タンパク質のチャネルやポンプ、細胞内外の信号を伝える受容体、光合成機能を司る複合体を分子レベルで理解し、得られた情報を基に変異体やリガンド等の結合物質のデザインを行ない、将来的に疾患治療薬の開発や光エネルギーのクリーンな利用につながるような研究を目指しています。

  • 成果、活用例

    タンパク質などの生体高分子を原子のレベルで観察するうえで、世界的に三つの技術が普及しています。X線とタンパク質の結晶を使った技術、核磁気共鳴分光法、最後にクライオ電子顕微鏡を使った技術がノーベル化学賞の受賞テーマとなりました。これらの技術を利用して、私たちの暮らしはどんどん便利になってきています。例えば酵素入り洗剤によるコンパクト化や、抗インフルエンザウィルスの薬が開発されたおかげで飲んだ翌日には症状がほぼ消えるなど、探せば身の回りにたくさんあります。

  • 今後の展望展開

    一時期はBlob-ology(タンパク質を塊”Blob”として表示できる程度の生物学手法)と揶揄されて日陰の存在であったクライオ電子顕微鏡の技術ですが、パイオニアたちの「結晶の中でなく、生物中のタンパク質の姿を見たい」という長年の努力の結果、ノーベル化学賞の受賞に至りました。こういった技術・理論をさらに発展させて、私たちの暮らしに直接関係のある医薬品、光合成細菌などを使った環境分野への応用に繋げていきたいです。

  • 主な研究業績・作品等

    Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の仲間であるエンドセリン受容体とリガンド結合後の変化

    光合成細菌の光捕集複合体LH1-RCと新奇膜タンパク質protein-U

  • 略歴

    福岡県生まれ。東京大学大学院理学系研究科単位取得満期退学。理化科学研究所ゲノム科学総合研究センター、日本電子(株)、京都大学大学院理学研究科、名古屋大学細胞生理学研究センターを経て現職。

  • 社会とのつながり

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題