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化石資源の代替として木質資源を利用する

德永 有希

助教

生物資源学研究科

資源循環学専攻

森林資源環境学

研究分野:  

tokunaga(AT)bio.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 木質資源
  • バイオマス変換
  • バイオリファイナリー
  • 森林

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    プラスチックに代表される化石資源由来の製品は私たちの生活になくてはならない存在です。しかし化石資源は有限であるため、持続的に使用し続けることが困難です。また、大量消費によって気候変動を生じ、マイクロプラスチック化によって海洋汚染といった問題を生じている側面もあります。こうした問題を解決するために、私は再生可能な木質バイオマス資源から、化石資源由来の製品に代わるような新規素材を開発することに取り組んでいます。

  • 成果、活用例

    私の研究では木材由来の新規素材の開発を行っていますが、素材への変換過程でその化学構造がどのように変化しているか、可能な限り分子レベルで明らかにすることを心がけています。これまでNMRという機器を用いて、木材の構成成分の高次構造や、酵素との相互作用を詳細に解析してきました。こうした分子レベルでの化学構造の理解が、木材を原料とした素材開発においても重要であると考えています。

  • 今後の展望展開

    今後の研究では特に熱硬化性樹脂の代替となり得る素材を中心として、化石資源由来製品の代わりになる素材の開発を行います。木質バイオマスはセルロース、ヘミセルロース、リグニンという3つの成分が複雑に絡まり合って形成されていますが、それらの化学構造を単純化したモデル化合物を用いた解析により、分子レベルで化学構造を理解しつつ、有用な素材を開発したいと考えています。

  • 主な研究業績・作品等

    • Yuki Tokunaga, Takashi Nagata, Keiko Kondo, Masato Katahira, Takashi Watanabe. Holzforschung, 75, 379–389, (2021).
    • Yuki Tokunaga, Takashi Nagata, Keiko Kondo, Masato Katahira, Takashi Watanabe. Biotechnology for Biofuels, 13, 164, (2020).
    • Yuki Tokunaga, Takashi Nagata, Takashi Suetomi, Satoshi Oshiro, Keiko Kondo, Masato Katahira, Takashi Watanabe. Scientific Reports, 9, 1977, (2019)

    人工的に合成した木質成分 (リグニン) のモデル化合物

  • 略歴

    山口県出身。2022年より三重大学生物資源学研究科助教に着任。

  • 社会とのつながり

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題