現代社会のストレスの増大に伴って、不安症の患者数は年々増加し、精神疾患の半数以上で不安関連疾患が存在しています。また不安障害では生産性の低下による経済的な損失や間接的コストが精神疾患全体の約3分の1を占めるとの推計もあります。パニック発作は約20%の方が一生の中で一度は経験すると言われており、生涯有病率も2-5%とされるパニック症では予期不安や広場恐怖などの症状が伴い、社会生活上の障害が大きいこともあり、パニック症の病態解明は今日の重要な課題となっております。
三重大学保健管理センターにおけるメンタルヘルス部門の担当者として、メンタルヘルス相談や精神保健的知識の提供、学生や教職員の心身の健康に供する情報提供を行っております。また医学系研究科における健康増進・予防医療学分野でもあり、学生の研究指導を行っております。最近では「新型コロナウイルス感染症とメンタルヘルス」に関する講義・講演を大学の内外で複数回にわたり実施しました。研究面ではパニック症の臨床遺伝的研究・画像研究、老年精神医学(アルツハイマー病、老年期うつ病)などの研究に取り組み、いのちの電話協会や三重県臨
研究面ではパニック症などの精神疾患における臨床心理学的知見や脳画像研究を加えた統合的な病態解明を目指します。三重大学・保健管理センターにおいけるメンタルヘルスの担当として、保健衛生管理における実務的な役割を果たすとともに、職員や学生の心身の健康増進や啓発活動を行っていきます。特に新型コロナウイルス感染症下でのメンタルヘルス不調の問題や自殺予防など今後も大切な心の健康を支え、困難に直面している方々とともに歩むことで日々の活動を進めていきたいと考えております。
北海道生まれ、大阪大学医学部精神科、三重大学医学部精神科、2007年より三重大学医学部准教授、2018年より三重大学保健管理センター教授。在外研究員として1997年よりスウェーデン・カロリンスカ研究所。
日本精神神経学会「精神神経学雑誌」編集委員会委員
日本老年精神医学会「Psychogeriatrics」Field Editor
精神保健指定医、精神科専門医、老年精神医学専門医、産業医、臨床心理士、公認心理師