日本史に関わる教育・研究は、日本や日本人のプロフィールを知ることにつながります。私たちの先人がどのような課題に直面し、それをどのように克服してきたのかを解明することは、現在を正確に理解することにつながります。その際に、周辺諸分野の成果も取り入れることによって、精度の高い結果を獲得できるように努めます。得られた成果は、大学教育や学界への貢献ばかりか地方創生にも役立ちます。
研究成果を学術論文や研究書にまとめるだけではなく、わかりやすい一般書にまとめて刊行したり、テレビの歴史番組への出演や、新聞や雑誌の連載執筆を通じて社会に還元してきました。また、地域社会に埋もれた貴重な古文書や遺跡の文化財指定や保存・活用に貢献してきました。たとえば、歴史遺産を活用した観光資源化による地方創生事業の提案などをおこなってきました。
史実の発掘を通して、近未来の地域社会の創生に貢献したいと考えています。たとえば、国家的な問題となっている相続放棄地や空き家の広がりについて、近代以前の土地所有の実態を調査し、所有権の歴史を探るなかで、新たな土地活用法を提案する、あるいは日本におけるコンパクトシティのありかたを提言するなど、歴史にもとづく改革案を提案したいと考えています(自治体関係委員に就任しています)。
愛媛県生まれ。1987年 神戸大学大学院文化学研究科助手、1993年 三重大学教育学部助教授、2003年 同教授、三重大学教育学部長、評議員を経て 現在 三重大学副学長(高大接続・入試担当)、同教育学部・大学院地域イノベーション学研究科教授
2013年 第28回愛媛出版文化賞 第1部門賞(研究・評論)受賞。2019年~新居浜市史編さん審議会委員。2020年~奈良県土地利用に関する懇談会委員。2021年~滋賀県立安土城考古博物館展示検討懇話会委員など。
中学校・高等学校社会科教員免許