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心臓MRIを心臓疾患の診療に役立てる

石田 正樹

准教授

医学系研究科

生命医科学専攻

臨床医学系講座

研究分野: 放射線医学

mishida(AT)med.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • 画像診断
  • 心臓MRI
  • 定量解析
  • 虚血性心疾患
  • 心筋症

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    心臓疾患には狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患と、心筋症を中心とした非虚血性心疾患に大きくわけられます。人口の高齢化がすすみ、これらの心臓疾患の結果生じる心不全が増加しており、患者さん個々に応じたきめ細かい治療が必要とされています。心臓MRIでは、心機能や心筋虚血、心筋梗塞、冠動脈狭窄、心筋の組織性状などを一度の検査で評価できる特長があり、心臓疾患の治療方針決定や予後評価において非常に重要な役割を担っています。

  • 成果、活用例

    これまで、負荷心筋パーフュージョンMRIや冠動脈MRアンギオグラフィーを用い冠動脈疾患の診断、予後予測における意義を明らかにする研究、心筋疾患においてT1マッピングによる心筋組織性状評価の意義を明らかにする研究、心筋ストレイン解析を用いた心不全の病態評価に関する研究などを行ってきました。心筋パーフュージョンMR画像から心筋血流値を定量的に取得する手法の開発や、冠動脈MRアンギオグラフィーの新しい再構成法の最適化に関するスイスのローザンヌ大学のグループとの国際共同研究にも従事しています。また、SCMR Japan Working Groupセミナーや心臓MRハンズオンセミナーにて講師として心臓MRI普及に向けた教育活動を行っています。

  • 今後の展望展開

    従来、画像診断の分野は読影者の主観的な評価に基づいて発展してきましたが、ここ10年で、様々な定量解析法が登場し、これまで定性的にしか論じることのできなかった指標が絶対的定量値に置き換えられようとしています。心臓MRIをベースとした新しい定量解析法を組み合わせて心臓疾患の病態評価の精度をさらに高めることで、循環器診療に貢献できるような研究を進めていきたいと考えています。

  • 主な研究業績・作品等

    • 1. Ishida M, et al. Radiology. 2005;237:458-64. (Impact Factor 29.146)
    • 2. Ishida M, et al. J Cardiovasc Magn Reson. 2011;13:71. (Impact Factor 6.903)
    • 3. Ishida M, et al. J Cardiovasc Magn Reson. 2011;13:28. (Impact Factor 6.903)
    • 【英語論文被引用回数】2,036、【H -index】25

    心臓MRIの診療に従事(放射線科ホームページより)

    SCMR Japan Working Groupセミナーで講義(2022)

  • 略歴

    三重県四日市市生まれ。2007年 三重大学大学院医学研究科卒業(医学博士)。2009年から2011年まで英国King’s College London, Division of Imaging Sciencesに留学、2013年より三重大学医学部附属病院 放射線科 助教、2019年より同講師、2020年より現職。

  • 社会とのつながり

    SCMR Japan Working Group 事務局長・プログラム委員(2012-)、日本磁気共鳴医学会 代議員(2020-)、Magnetic Resonance in Medicai Science誌 編集委員(2021-)、日本心臓放射線研究会 世話人(2023-)などを務め、心臓MRIの研究、教育、普及に取り組んでおります。

  • 資格

    放射線診断専門医、核医学専門医、PET核医学認定医、検診マンモグラフィ読影認定医、臨床研修指導医、日本医学放射線学会研修指導者

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 医療・福祉の課題