日本は超高齢社会であると同時に災害が頻発する国です。ひとたび災害が起こると、病気や障がいを持ち介護が必要な高齢者は災害後の生活や健康に支障が出ます。特に75歳以上の方への影響は深刻です。高齢者の災害被害軽減を目指して、①災害時の健康問題や災害準備状況の調査・研究、②災害時要配慮者にならないための健脚活動、③災害に強い地域づくりのための知識の普及や教育に取り組んでいます。
地震・津波災害が起こりやすい地域に住む75歳以上の方は健康上の課題があり、災害時に安全・迅速に避難するための準備、災害後の生活や健康管理に必要な準備が不足しており、準備支援を早急に行なう必要がありました。また、女性や一人暮らし、認知障害、地域交流が希薄化している人は準備が不足しやすいことがわかり、これらの方に注目して準備対策を強化する必要がありました。これらの防災上の課題を地域支援者に説明し、日頃の支援や防災訓練の実施につなげていくことができるようにしています。
認知症を患っている高齢者の方はその障害の特徴から特有の災害準備が求められますが、自ら準備することに困難をきたす可能性があります。そのため、災害発生時に認知症高齢者の被害を軽減するために家族が行う準備に必要な項目を明らかにして、認知症高齢者の準備力の実態を明らかにしようと考えています。
愛知県生まれ。2022年三重大学大学院医学系研究科看護学専攻博士後期課程卒業。看護師として集中治療室・病棟勤務を経て、2004年から三重県厚生連看護専門学校で専任教員として従事。2012年から現職。
日本看護科学学会、日本看護研究学会、日本災害看護学会、日本認知症ケア学会、日本老年看護学会、地区防災計画学会、三重看護研究会所属。
みえ防災塾運営委員、三重看護研究会査読委員、三重県実地避難所アセスメント講師