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安全なウイルスで感染症を予防し、がんを治療する

野阪 哲哉

教授

医学系研究科

生命医科学専攻

基礎医学系講座

研究分野: 感染症制御医学・分子遺伝学分野

カテゴリ

キーワード

  • 鼻スプレーワクチン
  • ウイルスベクター
  • 抗がんウイルス

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    人類の健康を守るために、感染症とがんの克服を目指しています。キーとなるのは免疫です。免疫をうまく活用して感染症やがんを克服するための手段として、ワクチンや抗がんウイルスを創りだす研究をバイオコモ社という地元ベンチャー企業と共同で行っています。

  • 成果、活用例

    講義は微生物学を担当しています。研究に関しては、風邪のウイルスを安全に改変し、遺伝子とタンパク質の運び屋として利用し、新型コロナウイルス、エボラウイルスに対するワクチンを作りました。注射をしなくても、鼻にスプレーするだけで全身性に免疫が得られ、上気道の感染も防ぐことができます。また、がんと戦う免疫を活性化するウイルスを開発しました。

  • 今後の展望展開

    基礎研究で得られた成果を早く実用化して社会に役立てられるよう、日々努力しています。新興感染症にすぐに対応できるようにワクチンを素早く作製する技術基盤はできたので、製造体制を確立することが大きな課題です。令和5年より国のSCARDA(先進的研究開発戦略センター)より支援を受け、鼻スプレー型RSウイルスワクチンの製造に着手しました。

  • 主な研究業績・作品等

    • Ohtsuka J, et al., iScience 24: 103379, 2021.
    • Ohtsuka J, et al.. Sci Rep 9: 12901, 2019.
    • Ono R, et al., Mol Cell Biol 37: e00585-16, 2017.
    • 英語論文被引用回数 10046

    新型コロナウイルスワクチン(右側)

    エボラウイルスワクチン(左側)

  • 略歴

    大阪生まれ、奈良県育ち。三重大学医学部医学科卒業、京都大学大学院修了。京都大学ウイルス研究所助手(助教)、米国セントジュード小児研究病院ポスドク、東京大学医科学研究所寄附研究部門准教授を経て現職。

  • 社会とのつながり

    日本血液学会評議員、三重大学評議員、東海乳酸菌研究会会長、三重県保健環境研究所病原体等安全管理委員
    1989 年度 三医会賞
    1995 年度 アメリカ血液学会賞(ASH Merit Award)
    1996 年度 日本血液学会奨励賞
    2006年度 日本白血病研究基金 一般研究賞
    2013年度 日本白血病研究基金 一般研究賞

  • 資格

    医師免許

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 医療・福祉の課題