森林は私たちの身近な利用可能資源です。手元にある森林を利用して、人類は経済的に発展してきました。今日、それが行き過ぎて、ある地域では森林面積が激減し、また、ある地域では、森林は存在するものの、質的に非常に貧しい森林となってしまいました。また、水源の豊かな森や私たちをリフレッシュしてくれる健康の森も、多面的な森林の姿です。現在の森林の状態を適正に認識し、今後も「持続的に」健全な森林を維持するために必要な仕組み作りに取り組んでいます。
地域の森林資源を適正に把握し、森林の成長量を評価します。成長量以上に利用しなければ森林の蓄積は維持されます。人工林については、固定試験地を設定し、間伐計画に合わせた収穫量の予想を、天然林についても、健全度を評価し、将来にわたり存続できるように監視して、地域の森林管理計画を作成します。「山の資源の見える化」です。ドローンなどの最新機器の利用で、森林を効率的に調査・評価する手法を開発しています。
森林の整備水準や管理状態が適正なのか、世界共通のモノサシで評価し、世界水準の森林経営を判定できる成績表を作り、お互いに客観的に森林経営を評価します。そのような理論と現実の森林作りという実践にも取り組み、豊かな森林を維持し、次世代に残せるように地域との協働活動をしたいですね。
徳島県生まれ。名古屋大学農学部林学科卒。Dr.forest(ドイツ・ゲッティンゲン大学)。農水省林野庁森林総合研究所(つくば市)、四国支所(高知市)を経て、三重大学生物資源学部勤務。現在生物資源学研究科教授。学部長、研究科長。
三重県森林審議会、亀山市森林管理協議会、みえスマート林業推進協議会等の活動。森林計画学会長、森林計画学賞,GISと地域の森林管理に関する業績,2018 森林計画学会