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豊かな森を育む樹木に寄りそう微生物を求めて

松田 陽介

教授

生物資源学研究科

資源循環学専攻

森林資源環境学

研究分野: 森林微生物学

m-yosuke(AT)bio.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 森林
  • 微生物
  • 絶滅危惧種
  • 生態
  • 菌根菌

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    陸域に生育する8割ほどの植物の根には見えない微生物が共生しています.これらの微生物が森の中で織りなす樹木や草花との関わり合いを明らかにすることで,生態系の安定性や維持に共生微生物が不可欠であることを示すような新たな発見を地道な研究を通して明らかにしたい.

  • 成果、活用例

    海岸地域に植栽されたクロマツや,内地の人が植えたスギの根には常に共生微生物が密接に関わることが分かってきました.さらに,森の中で生きる絶滅に瀕した木本・草本植物には特異的な共生菌が生息することも分かってきました.陸域生態系の持続性や,生物多様性の維持には,目に見える植物の生きざまだけではなく,目に見えない土の下の共生菌の働きが重要な局面があります.

  • 今後の展望展開

    自然生態系の安定的な維持には,土の上の見えることだけではなく,土の中の見えない植物の根と微生物との関わり合いの理解が重要です.こうした微生物のほとんどは私たちが遭遇したことのない名前のない仲間が多く潜んでいます.こうした微生物が何者で,関わる植物にどのような働きをして,生態系でどのような意味があるのかを解き明かしていきたい.

  • 主な研究業績・作品等

    • Tanikawa T, Maie N, Fujii S, Sun L, Hirano Y, Mizoguchi T, Matsuda Y (2023) Contrasting patterns of nitrogen release from fine roots and leaves driven by microbial communities during decomposition. Science of the Total Environment 855: 158809
    • Matsuda Y, Kita K, Kitagami Y, Tanikawa T (2021) Colonization status and community structure of arbuscular mycorrhizal fungi in the coniferous tree, Cryptomeria japonica, with special reference to root orders. Plant and Soil, 468(1-2): 423–438
    • 松田陽介 (2020) .2.5 根に関わる微生物.森の根の生態学(平野恭弘・野口享太郎・大橋瑞江 編)p106-127,376p,共立出版

    モミに発生したタマゴタケ

    樹齢千年以上の屋久杉も菌根菌の助けで生きています

  • 略歴

    愛知県生まれ.学部時に1年間英国を中心に遊学し,1994年名古屋大学農学部卒業.1999年名古屋大学大学院生命農学研究科を修了してから,東京大学の研究機関研究員を経て,2000年三重大学生物資源学部助手. 2015年に同科教授,現在に至る.

  • 社会とのつながり

    日本森林学会代議員,日本生態学会中部地区会会長,中部森林学会理事,日本菌学会代議員,Botany letters編集委員,Journal of Forest Research編集委員,日本森林学会編集委員

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題