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アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性皮膚疾患が持続した際に、どの様な臓器障害が生じるのか、またその治療法を探索する。

山中 恵一

教授

医学系研究科

生命医科学専攻

臨床医学系講座

研究分野: 皮膚科学

yamake(AT)med.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

カテゴリ

キーワード

  • 皮膚免疫学
  • アトピー性皮膚炎
  • 乾癬
  • サイトカイン
  • 全身性炎症

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚炎は、ただ単に皮膚にのみ症状が生じるものと考えられてきましたが、実は内臓にも大きな影響を与える事が分かってきました。当科では皮膚炎が持続するために生じる内臓の合併症と、その治療法をアトピー性皮膚炎のモデルマウスを使用して長年研究しています。

  • 成果、活用例

    皮膚炎マウスを検討すると、動脈硬化症、脳底動脈の狭窄、PETによる脳の機能の低下を認めました。またその後の研究にて、全身性アミロイドーシス、骨粗鬆症や精子数の減少と動きの低下を認めました。最近の統計では尋常性乾癬や重症のアトピー性皮膚炎の患者さんでは、脳血管・心血管疾患が多く合併するとの報告があります。難治性の皮膚炎が続くと、皮膚病変から産生された炎症性サイトカインが流血中に入り、血管内皮に障害を生じさせ、脳・心血管障害を起こす可能性を考え inflammatory skin marchの概念を提唱しました。

  • 今後の展望展開

    全身型のアトピー性皮膚炎や乾癬では種々の臓器の障害を併発する可能性があるため、適切なコントロールが必要であると考え、啓蒙活動と治療方法の開発を行っています。

  • 主な研究業績・作品等

    • Yamanaka, K.The Interplay of Type 1, Type 2, and Type 3 Lymphocytes and Cytokines in Atopic Dermatitis. Int J Mol Sci. 2023 Feb 24(4), 3310
    • Iida, S. IL-17A Is the Critical Cytokine for Liver and Spleen Amyloidosis in Inflammatory Skin Disease. Int J Mol Sci. 2022 May 20;23(10):5726.
    • Nakanishi, T. Janus Kinase Inhibitors Ameliorated Gastrointestinal Amyloidosis and Hypoalbuminemia in Persistent Dermatitis Mouse Model.Int J Mol Sci. 2021 Dec 21;23(1):28.
    • h-index 26

    アトピー性皮膚炎モデルマウス

    右の皮膚炎モデルマウスで認められた大動脈の狭窄

  • 略歴

    1993年03月 三重大学医学部 卒業
    2000年07月 三重大学 医学博士
    2001年07月 三重大学医学部附属病院皮膚科講師 
    2002年07月 米国Harvard Med School/Brigham Women's Hospital皮膚科リサーチフェロー
    2012年02月 三重大学大学院医学系研究科皮膚科准教授
    2018年02月 三重大学大学院医学系研究科皮膚科教授
    2022年04月 三重大学大学院医学系研究科研究科長補佐(研究担当) 現在に至る

  • 社会とのつながり

    アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚炎は適切な治療を用いて効果的にコントロールするのが望ましい。これは個々のQOLの為でもあり起こりうる合併症の予防という観点からである。市民公開講座・医師への講習会を通じて、これらの啓蒙を行い、また病院での治療を行っていく予定です。

  • 資格

    皮膚科専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本がん治療認定医、熱傷学会専門医

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 医療・福祉の課題
    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題
    • 社会科学(政治・経済など)への課題