教授
医学系研究科
生命医科学専攻
臨床医学系講座
研究分野: 皮膚科学
アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚炎は、ただ単に皮膚にのみ症状が生じるものと考えられてきましたが、実は内臓にも大きな影響を与える事が分かってきました。当科では皮膚炎が持続するために生じる内臓の合併症と、その治療法をアトピー性皮膚炎のモデルマウスを使用して長年研究しています。
皮膚炎マウスを検討すると、動脈硬化症、脳底動脈の狭窄、PETによる脳の機能の低下を認めました。またその後の研究にて、全身性アミロイドーシス、骨粗鬆症や精子数の減少と動きの低下を認めました。最近の統計では尋常性乾癬や重症のアトピー性皮膚炎の患者さんでは、脳血管・心血管疾患が多く合併するとの報告があります。難治性の皮膚炎が続くと、皮膚病変から産生された炎症性サイトカインが流血中に入り、血管内皮に障害を生じさせ、脳・心血管障害を起こす可能性を考え inflammatory skin marchの概念を提唱しました。
全身型のアトピー性皮膚炎や乾癬では種々の臓器の障害を併発する可能性があるため、適切なコントロールが必要であると考え、啓蒙活動と治療方法の開発を行っています。
1993年03月 三重大学医学部 卒業
2000年07月 三重大学 医学博士
2001年07月 三重大学医学部附属病院皮膚科講師
2002年07月 米国Harvard Med School/Brigham Women's Hospital皮膚科リサーチフェロー
2012年02月 三重大学大学院医学系研究科皮膚科准教授
2018年02月 三重大学大学院医学系研究科皮膚科教授
2022年04月 三重大学大学院医学系研究科研究科長補佐(研究担当) 現在に至る
アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚炎は適切な治療を用いて効果的にコントロールするのが望ましい。これは個々のQOLの為でもあり起こりうる合併症の予防という観点からである。市民公開講座・医師への講習会を通じて、これらの啓蒙を行い、また病院での治療を行っていく予定です。
皮膚科専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本がん治療認定医、熱傷学会専門医