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ワイドギャップ窒化物半導体の結晶成長と光・電子デバイスへの応用

上杉 謙次郎

助教

みえの未来図共創機構

産学官連携推進部門

 

研究分野:  

k.uesugi(AT)opri.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • 半導体
  • 結晶成長
  • 発光ダイオード
  • 光電変換
  • 電力変換

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    ワイドバンドギャップ半導体材料のひとつである窒化物半導体は、紫外から可視の広い範囲の波長に対応する受発光素子や、高速・大電力で動作する電力変換素子として利用されています。身近な例としては、LED照明やACアダプタなどが挙げられます。私たちは、不純物や欠陥が少ない高品質な窒化物半導体結晶の作製による、半導体素子のさらなる高性能化や新規機能を有する半導体素子の実現を目指しています。

  • 成果、活用例

    コロナ禍を契機として紫外線を使った細菌やウィルスの不活化に高い関心が寄せられています。AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)を用いたLEDは、殺菌に効果的な波長の深紫外光を発生させることが可能です。私たちは、安価かつ簡便に高品質なAlGaN結晶を成長させる技術を開発し、波長265nmでは世界最高の発光効率を有する深紫外LEDを実現しました。殺菌用光源の普及を通して、感染症の脅威が抑制された安心・安全な社会への貢献を目指しています。

  • 今後の展望展開

    複数のLEDメーカーとの共同研究を通して私たちが開発した結晶成長技術の社会実装を進めているほか、有人環境でも使用できる短波長な殺菌用光源の開発に取り組んでいます。発光素子だけでなく電力変換素子への応用も行っており、材料の特性を活かした超高耐圧・高温動作可能な素子の実現に向けて原理実証に着手しています。

  • 主な研究業績・作品等

    • K. Uesugi, S. Kuboya, K. Shojiki, S. Xiao, T. Nakamura, M. Kubo, and H. Miyake, Appl. Phys. Express 15, 055501 (2022).
    • K. Uesugi, K. Shojiki, Y. Tezen, Y. Hayashi, and H. Miyake, Appl. Phys. Lett. 116, 062101 (2020).
    • K. Uesugi, Y. Hayashi, K. Shojiki, and H. Miyake, Appl. Phys. Express 12, 065501 (2019).

    独自技術で高品質窒化物半導体結晶が成膜されたウェハ

    深紫外LEDの発光の様子

  • 略歴

    長野県生まれ
    2011年 東京大学工学部卒
    2013年 東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程修了
    2013–2017年 株式会社東芝研究開発センター
    2018年 三重大学 研究員
    2019年より現職

  • 社会とのつながり

    応用物理学会, 日本結晶成長学会 所属
    第79回応用物理学会秋季学術講演会 講演奨励賞 (2018) など

  • 資格

    博士(学術) 三重大学, 2019年

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題