スポーツや肥満などにより過剰な負荷が体に加わると、靭帯や腱、半月板といった組織が損傷しますが、これらの組織は自然治癒しません。手術後により早く日常生活へ復帰するためにはこれらの代替となるより良い人工臓器が求められており、細胞と材料、生理活性物質を組わせる組織工学の観点から研究を進めています。
これまで組織本来の構成成分であるタンパク質を材料として、細胞と組み合わせた組織工学的人工臓器の研究を進めてきました。コラーゲン、エラスチン、靭帯細胞を組み合わせた新規人工靭帯の移植評価や、生体外における細胞と足場材料による組織化誘導について学会、論文等で報告しています。
近年発展が著しい再生医療ですが、現在実用化されている組織工学的な材料はまだまだ少ない状況です。その治療の選択肢を一つでも多くし、個々に適した医療を受けられるよう、生体由来材料と細胞を組み合わせた体に優しい組織工学材料の研究を進めていきたいと考えています。
三重県出身。2014年三重大学工学部卒業。2019年三重大学大学院工学研究科博士後期課程修了。2018年三重大学工学研究科助教。現在に至る
ライフサポート学会、日本人工臓器学会所属。
2016年3月ライフサポート学会奨励賞、2018年9月ライフサポート学会バリアフリーシステム開発財団奨励賞