主に20世紀のアメリカで書かれた英語の文学作品、特に小説を中心に研究しています。「小説とは何か」という愚直な問いに、感情移入(エンパシー)に着目することで答えられないかな、と思って研究しています。様々な意味での「他者」との出会いが問題になるアメリカにおいて、感情移入という「他者」理解にはどんな意義があるのか、というようなことも広い視野では考えています。こう書くと、何だかムツカシイ感じがしますが、結局は、どうして私たちは作りもののお話にこんなにも心奪われちゃうんだろう、というナイーブな問いが根本にあるので、文学に限らず映画でもTVドラマでもなんでも、虚構の作品に感動するという経験を大切にしています。
フィクションを鑑賞するときに、まったく感情的にならずに虚構世界を突き放すのでもなく、かといってまったく没入的になってしまうのでもなく、うまくバランスを取りながら、フィクションのフィクションたるところをうまく味合うことができるといいな、と考えています。
エンパシーという概念をめぐる言葉の歴史の中で、フィクション作品、特に小説作品がそれにどのように関係してきたかを、20世紀のアメリカ小説にさぐりたいな、と期待しています。
1982年、富山県富山市に生まれる。大学入学を機に上京し東京に10年間ほど住んだのち、博士号を取りにアメリカのフロリダ州にあるフロリダ州立大学に7年間ほど留学。2018年、三重大学に着任。
2021年4月~ 放送大学三重学習センター客員教員