スイギュウは日本ではほとんど飼育されていませんが、東南アジア諸国では役用に用いられており、稲作地帯を中心に水田の耕作や農用物資の運搬等に利用されている家畜です。役用としての利用だけでなく、食肉としての利用を目的に研究を行っています。
ウシとの比較研究から、スイギュウはウシに比べて頭部が大きく骨太で枝肉歩留まりが悪いものの、肉質および食味はウシに劣らず、食肉としての利用が十分可能であることがわかっています。また、スイギュウはウシに比べて皮下脂肪は厚いがウシと同じように肥育しても筋肉(食肉)中の脂肪含量およびコレステロール含量が低いことがこれまでの研究からわかっています。
日本でも注目されつつある低脂質・低コレステロール牛肉の生産を目指して、なぜスイギュウのコレステロールはこれほど低いのか?スイギュウとウシのコレステロール代謝の違いは何か?を解明するための研究を行っています。