農業の後継者不足や高齢化が進む一方で,食に安心安全を求めに応じ,だれが,どこで,どのように,作物を栽培するについて,問題意識をもっています.小農や大規模農家など,規模の違いや,有機栽培と慣行栽培,特産品など,農業従事者の経営哲学や生活スタイルは実に多様です.お米作りを例としても,誰一人同じ方法はないほどです.農業によってもたらされる農産物を購入する私たちは,値段だけで見てはいないでしょうか.命を支える農産物が生み出さる過程に注目したいと思い,研究を行っています.
大量に捨てられる食品から堆肥を作って,作物栽培に利用して,再び農作物として出荷する食品リサイクル・ループに取り組んでいます堆肥の製造,堆肥の施肥方法や肥培管理などの物質循環について,未利用資源の利活用ができることで,輸入肥料に依存しない栽培が可能となりました.特に,水稲では基肥に堆肥を施用することで,十分な収量を得ることができました.用水管理も水稲農家が行いますが,悪天候による用水管理では,夜中でもゲートや水門などの操作をする必要がありました.そこでスマホから操作できる仕組みをつくりました.
農作業は多数の工程があり,それぞれの工程を見直すことで,食品安全,労働安全,環境保全,人権などの粗面から適切な農場運営が行えるとの考えに共感し,ASIAGAP審査員資格(日本GAP協会認定)を取得し,実際に審査しております.また,だれでも農業で働くことができるためにも,農福連携技術支援者(農林水産省認定)を取得しました.社会で求められる資格や仕組みを積極的に取り入れることで,地域の豊かさを,そこに住む人,法人(経営体)が,自給的な農産物,エネルギー作物の生産に取り組む研究と実践につなげたいと思います.
論文賞:2021年度日本作物学会論文賞
技術賞:2022年度日本環境学会技術賞
一般社団法人地域連携ネットワークみえ・理事
専修免許(農業)
ASIAGAP審査員資格(日本GAP協会認定)
農福連携技術支援者(農林水産省認定)