教授
生物資源学研究科
共生環境学専攻
環境情報システム工学
研究分野: エネルギー利用工学
食料生産過程において穀物の藁や野菜の非食部が大量に発生している。そのほとんどは利用されずに廃棄されている。これらは植物バイオマスであり、多くのセルロースが含まれている。本研究では植物バイオマスのセルロース同士の水素結合を利用して生分解可能なバイオボードを開発するものである。これらの未利用植物バイオマスを利用し,バイオボードや農業用マルチシート及び培養液栽培用培地等の開発を行っている。
これまでに稲わら、麦わら、トウモロコシの藁などの穀物生産過程に発生した廃棄物や野菜生産過程に発生する非食部である茄子、ピーマンなどの茎葉を用いて化合物や接着剤等を一切使用せず,かつ藁等のすべての成分(セルロース,ヘミンセルロース,リグニン等)を利用してバイオボードを作製することに成功している。これらのバイオボードが一定の強度を持ち、建築材材料、包装材料なの分野への応用が可能であることを示した。
接着剤等を使用せずにバイオボードの作製技術を確立したので、この技術を利用し、農業用マルチシート(遮光による雑草の抑制、保温等)や植物工場における溶液栽培用培地を開発することを馬座している。また、バイオボードを断熱材料として利用する場合の断熱性能を示す熱伝導率を測定し、その断熱性を評価する。さらに、農業マルチシートや培地の性能指標を測定し評価を行う。
1982年07月 吉林工業大学 卒業
1986年03月 三重大学大学院農学研究科修士課程 修了
1990年03月 京都大学大学院農学研究科博士課程 修了
1990年07月 三重大学 助手
1997年08月 三重大学 助教授
2006年10月 三重大学 教授
2021年04月 三重大学学長補佐(国際交流担当)
本研究は再生可能な生物資源の利用であるので、化石資源の消費抑制につながり、環境保全に役立つ。