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微細藻類の水熱処理システムの構築

滝沢 憲治

助教

生物資源学研究科

共生環境学専攻

環境情報システム工学

研究分野: 応用環境情報学教育研究分野

takisawa-k(AT)bio.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • バイオマス
  • 微細藻類
  • 水熱処理
  • 半炭化
  • エネルギー

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    皆さんは炭について考えるとき,何を思い浮かべますか。バーベキューのときに使っているとか,脱臭効果のために冷蔵庫に入ってるとかでしょうか。近年,炭化に関する研究が盛んになっています。それは炭の持つ様々な性質が環境に優しいと考えられているためです。
    酸素がない,あるいは少ないところで材料を加熱すると,材料内の揮発分が抜けていきます。揮発分には酸素や水素が多いため,揮発分が抜けることにより相対的に材料内の炭素の割合が増えます。この炭素含量の高いものを炭と呼びます。

  • 成果、活用例

    炭は保存性や燃焼性が高く,燃料として優れています。また燃料として利用される以外にも,肥料や土壌改良剤,吸着材など様々な利用方法があります。このようにバイオマス由来の製品として多くの機能を持っていることが,地球に優しいといわれる大きな理由となっています。

  • 今後の展望展開

    水熱炭化は高温高圧下で水とバイオマスを反応させる方法であり,水熱炭化物と廃液を生成します。この方法は高含水のバイオマスに適用できるだけでなく,熱水が触媒の役割を果たし反応を促進することが利点として挙げられます。また反応中に無機物やたんぱく質などの成分は液相に溶解するため,得られる炭は良好な品質を持っています。私たちはこの水熱炭化法を微細藻類に適用させる研究を行っています。

  • 主な研究業績・作品等

    • Yutaro Miyata, Takashi Fukushima, Masaki Kihira, Kenji Takisawa, Effect of hydrothermal reaction conditions on hydrochar from microalgae, Biomass Conversion and Biorefinery, 2022年
    • Nozomi Miyawaki, Takashi Fukushima, Takafumi Mizuno, Miyao Inoue, Kenji Takisawa, Effect of wood biomass components on self‑heating, Bioresources and Bioprocessing, 8(21), 2021年
    • Kenji Takisawa, Kazuyo Kanemoto, Tatsuo Miyazaki, Yutaka Kitamura, Hydrolysis for direct esterification of lipids from wet microalgae, Bioresource Technology, 144, 38-43, 2013年

    半炭化の経時変化

    水熱炭化の概要図

  • 略歴

    2013年3月 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 生命産業科学専攻修了
    2014年4月 東北大学大学院 農学研究科 資源生物科学専攻(博士研究員)
    2015年7月 北海道大学大学院 工学研究院 応用化学部門(博士研究員)
    2017年4月 東京家政大学 家政学部 環境教育学科(助教)
    2018年2月 三重大学大学院 生物資源学研究科 共生環境学専攻(助教)

  • 社会とのつながり

    2020年-現在 農業施設学会 研究推進委員
    2019年-現在 農業食料工学会 生物資源部会 運営委員

  • 資格

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 環境への課題