教授
生物資源学研究科
資源循環学専攻
農業生物学
研究分野: 動物生産学
家畜の消化管には1,000種以上の微生物が生息しており,宿主動物の栄養,免疫,病原性微生物からの防御に役立つ微生物がいます。その一方で,ウシのお腹には温室効果ガスであるメタンをせっせと作り,気候変動の一因となっている微生物もいます。私は消化管に生息する微生物をコントロールする「指揮者」となって,家畜の生産性を高め,環境負荷を低減することを目指しています。
◎家畜(ウシ,ヒツジ,ブタ,ニワトリ,ダチョウ)の消化管微生物の多様性を最新の分子生物学的手法を用いて明らかにした。
◎ウシやヒツジのお腹の中には牧草を消化する嫌気性真菌という特殊なカビが生息しています。この嫌気性真菌の生理的特性および生態を明らかにしました。
◎「米ぬか」がウシが排出するメタンを抑制することを見出しました。抑制の程度は高くはありませんが,ほかの方法と組み合わせることで,メタン抑制を高めることができます。
これまでの成果を生かしつつ,ウシから排出されるメタンの効果的な抑制方法の開発を行っていきたいと考えています。また,その他の家畜につても,消化管に生息する微生物の制御方法を開発し,人類の食料問題の解決につなげたいと考えています。消化管に生息する微生物の培養は難しい場合が多いのですが,分離・培養の努力をし,バイオマスの有効利用などに役立つ微生物を探索したいと思っています。
平成9年7月 社団法人農林水産先端技術産業振興センター農林水産先端技術研究所 研究員
平成14年3月 三重大学生物資源学部 助教授
平成19年4月 三重大学大学院生物資源学研究科 准教授
平成25年2月 三重大学大学院生物資源学研究科 教授
現在に至る
・三重県畜産研究所外部評価委員会(委員長)
・松阪市環境影響評価委員会