林業は足場の悪い山の中で伐採木など重量物を取り扱うため,身体的負担が大きく体温が上昇しやすい。危険な作業も多く,夏の屋外での作業であっても長袖・長ズボン,ヘルメット,安全靴,手袋などを着用することから熱ストレスを受けやすい環境である。実際,森林作業中の熱中症による死傷者数も毎年5人~13人と少なくない。
若い世代の林業への新規参入が増加している一方で,林業就業年数が短い林業従事者で熱中症の症状が多いことが示唆されており,気候変動による気温上昇が顕在化する中で林業従事者全員があらかじめ熱中症のリスクを把握し,森林作業の安全性を高める対策が必要不可欠である。
そのために2023~2026年は下記の研究を行う。
1. 森林作業現場における暑熱環境の把握
2. 暑熱環境の許容基準にもとづいた森林作業の分類
3. 立地条件と生理負担による熱中症リスクの可視化
4. 森林作業における熱中症リスク共有システムの構築
樹木のサイズ測定
暑熱環境の測定