高分子ゲルは、食品や医療材料など私たちの暮らしに密接に関わる素材です。最近の研究で、そのやわらかさの背景には「負のエネルギー弾性」と呼ばれる現象があることがわかってきました。私はこの新しい物理的性質に注目し、数理モデルを用いてそのミクロな仕組みを明らかにすることで、より良い製品開発への基礎づくりを目指しました。
シンプルかつ一般性のある数理モデルにより、高分子ゲルのミクロな相互作用が「負のエネルギー弾性」の起源であることを理論的に示しました。この成果は、ソフトマターの物理的理解を深めるとともに、今後の材料設計に理論的基盤を提供するものです。