海や水族館で,イルカを見たことがある方は多いと思いますが,どのような視点で見ているのかは人によって様々でしょう.日本でのイルカの利用については,2009年に日本の捕鯨を問題にした映画『ザ・コーヴ』が公開されて以降,特に強い国際的な批判を受け続けてもいます.しかし,現在の日本で,人がイルカをどのように利用しているかを知る人は意外と少ないのかもしれません.
歴史的に私たちがイルカやクジラを利用することができたのは,近海に多くの鯨類が生息している(いた)からです.こういった鯨類の生態を理解するための研究は,単に学術的知見を増やすだけでなく,観光資源,教育資源,食料資源などへの適正な利用にもつながります.
観光業や漁業などの産業,水族館,地方自治体等との連携により,研究内容を教育や社会貢献に活かすことができると考えます.
岐阜県出身.三重大学大学院生物資源学研究科博士後期課程修了(博士(学術)).三重大学大学院生物資源学研究科特任助教,太地町立くじらの博物館研究員,三重大学大学院生物資源学研究科助教を経て,現職.
太地町立くじらの博物館において野生および飼育鯨類の研究活動に従事する研究員としての勤務歴あり.現在も客員研究員として同博物館による調査研究活動に対して学術的助言を行っている.