准教授
生物資源学研究科
共生環境学専攻
農業土木学
研究分野: 土壌圏循環学
土壌は作物を生育する上で欠かせない存在です。植物は光合成に必要な水を土壌から吸い上げ、葉から大気に放出しています。近年の気候変動により集中豪雨や渇水の頻度が増えたことで、土壌も多湿・乾燥条件になることが増え、作物の生育や収量に影響を与えています。気象条件の変化による土壌水分・地温といった土壌環境の変化を観測・予測(見える化)することで、安定した営農活動への貢献を目指しています。
ダイズ栽培畑において土壌水分量の変化の観測を行い、土壌乾燥に対する根の吸水・蒸散の低下といった植物の応答を定量的に評価しました。また数値シミュレーションによって、気象条件から畑地の土壌水分量・地温の変化、および蒸発散量の変化を予測しています。
今後、農地の大区画化にともない、同じ圃場内でも土壌水分量が空間的にばらつくことが想定されます。サーモグラフィを搭載したUAVで地表面温度の空間分布を観測することで、比較的低温な蒸発散が多い湿潤な場所、高温な蒸発散が少ない乾燥した場所を判断でき、作物の生育ムラの軽減に貢献できると考えています。
福岡県出身。東京大学大学院修士課程修了、三重大学大学院博士後期課程修了。カリフォルニア大学リバーサイド校、ユタ州立大学での博士研究員を経て、2011年三重大学赴任。
2021年土壌物理学会論文賞、2021年農業農村工学会著作賞