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造血系と免疫系はどうやってできるのか? どのようにメンテされているのか?

山根 利之

准教授

医学系研究科

生命医科学専攻

基礎医学系講座

研究分野: 幹細胞発生学

キーワード

  • 幹細胞 細胞の分化 血液の発生 免疫系の発生

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    造血系と免疫系の成り立ちについて幅広く研究しています。特に、胚発生期・胎仔期を支える造血系、幹細胞や一部のマクロファージやB細胞が自己の分身を際限なく作り続けることのできる能力(自己複製能)に興味を持って研究しています。また現在、人為的リプログラミングによって血液細胞を作る技術に注目して研究開発を進めています。

  • 成果、活用例

    これまで胚発生期・胎仔期を支える造血系の成り立ちについて、その細胞基盤・分子基盤を明らかとしてきました。ここから得た知見をもとにして、線維芽細胞へ転写因子遺伝子を人為的に導入することで、血液細胞を作る技術を開発しています。また成体の健康状態の維持には、細胞レベルの入れ替わりが重要になってきます。その機構の一部として、細胞の自己複製機能の分子基盤を解明できればと考えています。

  • 今後の展望展開

    生物個体の発生が、なぜこんなにも上手く制御されて進むのか、またヒトの体が100年もの間、生きながらえるのか、まだまだよくわかっていません。私たちの造血系と免疫系の研究から、その一端を少しでも解明できないかと研究に励んでいます。個体発生や恒常性維持機構の細胞基盤・分子基盤を明らかにすることは、いろいろな応用研究の基礎知見となっていきます。その「基礎」の部分で少しでも貢献できればと思います。

  • 主な研究業績・作品等

    • Ito C, Hikosaka-Kuniishi M, Yamazaki H, Yamane T*: Multiple cell populations generate macrophage progenitors in the early yolk sac. Cell Mol Life Sci 79: 159, 2022
    • Yamane T*: Mouse yolk sac hematopoiesis. Front Cell Dev Biol 6: 80, 2018 (Review)
    • Yamane T*, Ito C, Washino A, Isono K, Yamazaki H: Repression of primitive erythroid program is critical for the initiation of multi-lineage hematopoiesis in mouse development. J Cell Physiol 232: 323-330, 2017
  • 略歴

    1973年、鳥取生まれ。2000年、鳥取大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D.)。日本学術振興会 特別研究員、スタンフォード大学医学部博士研究員などを経て、現在、医学系研究科准教授。

  • 社会とのつながり

  • 資格

     

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 自然科学(化学・生物・数学など)への課題