心臓MRIは放射線被ばくを伴わない非侵襲画像診断検査です。MRIは心臓や冠動脈の形態を描出できるだけでなく、心筋組織の血流、心臓の動きや変形、心筋組織の線維化・浮腫・物質の沈着などの組織学的変化など、冠動脈疾患や心筋梗塞、心不全など様々な疾患の診断と将来のリスクの評価、治療効果判定などの鍵となる様々な情報を提示します。これまで34年間にわたり、日本における心臓MRIの研究と臨床応用をリードするとともに、最近では心臓CT分野でも先端的な成果を生み出しています。
最先端の心臓MRIや心臓CT技術の開発によって、心臓や冠動脈内にカテーテルという管を入れなくても、各種心疾患の病態を正確に診断できるようになりました(痛くない心臓検査)。三重大学病院では最新の心臓MRIと心臓CT検査法をうまく使い分けることで、患者さんが最適な治療をうけるのに必要な情報を詳細に提供し、先端的な循環器診療に貢献しています。
三重大学病院では、国内で数台しか導入されていない次世代のフォトンカウンティングCTを導入し、従来の8倍の解像度の冠動脈診断を開始しました。この方法を活用して冠動脈硬化を正確に診断するには、CT装置の改良だけでなく、高速ネットワークやAIを用いた画像処理と画像解析などの医工連携が重要であり、こうした領域の医工連携、産学連携を推進して行きます。
1985年 三重大学卒業、三重大学附属病院研修医、医員
1988年 福井医科大学放射線科助教
1989年 三重大学附属病院助教
1991年 University of California San Fransisuko留学
1996年 三重大学附属病院放射線科講師、1998年 准教授
2012年 三重大学大学院医学系研究科放射線医学教授。
日本心臓血管放射線研究会代表幹事。
・日本心臓血管放射線研究会代表幹事
・NPO法人心臓MRハンズオン代表
三重大学放射線科は循環器画像診断分野で日本、アジアをリードする施設として、放射線科医・循環器内科医・放射線技師を対象としたセミナーを多数開催しています(www.scmr.jp)。また、心臓MRIの高度トレーニング施設として、海外から約10名の長期研修・留学生を受け入れて来ました。
放射線診断専門医